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くまもると学ぶ! 知っ得マンション生活 快適な暮らしのために定められたルールとマナー

マンション生活

画像提供/PIXTA

多くの人が暮らすマンションでは、様々なトラブルが発生することがあります。ご近所トラブルともなれば、お互いにとってストレスになるだけでなく、場合によっては住み続けることが難しくなることもあるかもしれません。そうなる前に、まずはマンション生活における自分の行動を今一度見直してみませんか? 今回は、マンションで暮らすためのルールとマナーについてご紹介します。

教えてくれた人

本山 哲男日本ハウズイング 事業統轄本部
建物管理部 マンション企画グループ 統括マネージャー

規約はマンションを適正に管理し、
居住者に共同の利益をもたらすためのもの

マンションで快適な暮らしを送るには、同じマンションに住む人同士がルールやマナーを守ることが大切です。そのために、各マンションには必ず「管理規約」と「使用細則」(以下「規約等」という)があり、共用部分の範囲や使用方法、管理組合運営の必要事項が定められています。

規約等を作成する目的は「区分所有者の共同の利益を増進し、良好な住環境を確保すること」であり、区分所有者が共有財産であるマンションを適正に管理し、その恩恵として区分所有者に共同の利益をもたらすためのものです。しかし実際には、規約等に定められた遵守事項やマンションのルール、マナーを知らない方が意外と多いのが現状です。

そこで日本ハウズイングでは、管理組合運営を担う理事会役員の体制が代わるタイミングで規約等の条文や定められた日常のルールなどを再確認していただくよう説明をしたり、居住者の皆さまへはマンション内の掲示板や窓口となる管理事務室等に、日常生活における遵守事項を掲示するなどして啓蒙しています。居住者の皆さまには、この機会に改めて、ご自身がお住まいのマンションの規約に目を通していただき、あわせて各々のマンションに定められたルールや生活マナーについての理解を深めていただければと思います。


マンションでのトラブル発生状況を表したグラフ。トラブルの中でも、居住者間のマナーをめぐるトラブルが圧倒的に多いことが分かる。出典/国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状」

QUESTION 01「管理規約」と「使用細則」は何が違うの?

「管理規約」は、マンションの管理や使用に関する基本的な事項が定められているもので、マンションごとに多少のオリジナリティはあっても、そこまで大きな違いはありません。 一方の「使用細則」は「管理規約」よりも詳細で、日常生活における注意事項、専有部分や共用部分の使用についてのルールを中心に、マンション内での生活を円滑に行えるよう、実態に応じた具体的な内容が定められているものです。


QUESTION 02規約等を改正したいときはどうしたらいいの?

まずは、改正をしたい項目がある旨を理事会に相談してください。理事会においては「どうして改正が必要なのか」「改正によって特別な影響を受ける者はいないか」「この改正は共同の利益に値するものか」などを話し合い、総会に上程すべきかを議決します。なお、事前に住民説明会を開催するなどの段階を踏んだり、より多くの住民の理解があった方が合意を得やすいとの考えから、理事会の諮問機関として事前に規約専門の委員会を立ち上げるケースもあります。総会上程に至るまでの経緯は様々ですが、管理規約の改正に関する議事は、総会において組合員総数および議決権総数の各4分の3以上で決します。


QUESTION 03規約等を守らない場合、罰則はあるの?

違反行為によって他の居住者に影響を及ぼした場合には、理事長は、理事会の決議を経て、違反者に対して是正のために必要な勧告や指示、または警告を行うことができ、さらに総会の決議により、違反行為の差し止め、専有部分の使用禁止、原状回復措置や損害賠償請求に関して、管理組合から訴訟を起こされるケースもあります。
また、自身の専有部分を貸与している区分所有者も決して他人事ではなく、賃借人やその同居人が規約等に違反した場合は、その是正のための必要な措置を講じなければなりません。ただし、あくまでも目的は「管理規約の遵守=違反行為をやめてもらうこと」なので、強硬手段ありきで話を進めるのではなく、まずは、直接にせよ、文面にせよ、規約等を違反している事実を伝え、注意を促し、違反の状況はいつ頃改善されるのかという見通しを確認します。ここで違反者から明確な是正の時期が示されれば、後はその期日まで待ちます。それでも解決に至らない場合は必要な措置を講じることになるでしょう。

QUESTION 04トラブルになりやすい事項や、ルールの作成にあたり、特に重要な項目は?

駐車場や駐輪場、トランクルームなど、使用区画の抽選手続きや使用方法に関するもの、また使用料が発生するものについては、特に慎重に議論を重ねる必要があります。また、ペット飼育や騒音問題、喫煙マナーなどは、人によって受忍限度が異なるため、管理組合ごとに対応を変えるケースもあります。
一方、バルコニーや玄関扉、ポーチなどの専用使用部分も、注意が必要です。専用使用部分とは、共有部分でありながら、特定の区分所有者等だけが使用する権利があり、同時に現状を維持する責任が発生する箇所となりますので、管理組合から原状回復を求められたら、その指示に従わなければなりません。


出典/国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状」
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