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くまもると学ぶ! 知っ得マンション生活  管理の適正化を推進する「マンション管理計画認定制度」と「マンション管理適正評価制度」

マンション生活

画像提供/PIXTA

2022年4月から施行される「マンション管理計画認定制度」と「マンション管理適正評価制度」をご存じですか? いずれもマンションの管理状態や管理組合の運営状態をチェックし、適正な管理を促すための制度ですが、その違いはどこにあるのでしょう? 今回は、この2つの制度についてご紹介します。

教えてくれた人

遠藤 清貴日本ハウズイング 事業統轄本部
建物管理部 業務推進グループ チーフマネージャー

制度を活用することで適切な管理が維持でき、
資産価値の向上にもつながる

国(地方公共団体)が運営する「マンション管理計画認定制度」と、マンション管理業協会が運営する「マンション管理適正評価制度」は、どちらもマンションの適正な管理の促進を目的としています。審査は任意ですが、この制度が広く浸透すれば、管理の行き届いた状態を長期的に維持できるだけでなく、審査結果がリセール時の評価指標の一つになることも考えられます。さらに、マンションが適正に管理されていることへの信頼や安心感が購買意欲につながる、つまり、流通の促進にもつながる可能性があります。

日本ハウズイングでも、今後、2022年4月から始まるこの2つの制度を管理組合にご紹介する予定です。総会の承認を得て正式にエントリーすることが決まった場合は、そのお手伝いをさせていただき、一方で、申請前の段階で明らかに審査の基準を満たしていない場合は、基準を満たせるよう改善策をご提案します。私たち管理会社にとっても管理の重要性が試される制度ですが、結果として、制度を活用することが皆様のマンションの資産価値を高めることにつながると考えています。


QUESTION 01「マンション管理計画認定制度」と「マンション管理適正評価制度」は何が違うの?

マンションは私有財産であることから、その管理のすべては管理組合に委ねられてきました。しかし、2020年6月にマンション管理適正化法が改正され、管理の適正化に関する取り組みを計画的に進めていくため、国(地方公共団体)が積極的に関与できる「管理計画認定制度」が創設されました。審査項目は17項目ですが、例えば豪雪地帯であれば適切な除雪がされているか、海沿いならば塩害対策ができているかなど、ゆくゆくは、その地方ならではの項目が増える可能性もあるといわれています。審査は○と×で判定され、有効期間は5年間です。

一方の「マンション管理適正評価制度」は、一般社団法人マンション管理業協会が運営する制度で、年に1回、人間でいう健康診断のように、マンションの管理状態をチェックします。さらに、その情報を開示することで、管理の行き届いているマンションは高評価を得ることができ、例えば保険料の料率見直しなど、結果に応じたインセンティブ(報奨)を受けられる予定です(詳細は現在検討中)。審査項目は30項目、☆の数で多段階評価され、有効期限は1年間です。



QUESTION 02築年数が経過したマンションは、認定を受けたり、評価を上げることが難しい?

確かに、設備の老朽化や管理費滞納といった収支に関する問題など、築年数が経過したマンションの方が抱える問題は多いかもしれません。そこでまずは、自分たちのマンションが実際に登録・申請した場合、どのような評価になるのかをシミュレーションをしてみましょう。現状の管理状態をチェックし、万が一、認定が受けられない、評価が低い場合は、私たち管理会社が「ここを直したら認定が取れます」「こうすれば☆が増えます」といった改善計画をご提案します。

マンション管理等級評価シート(サンプル)


QUESTION 03登録・申請するにはどうすればいいの?

どちらの制度も、まずは理事会の承認が必要です。承認を得て登録・申請することが決まったら、審査は有資格者が行います。有資格者とは、国家資格である管理業務主任者とマンション管理士のことで、その中でも協会指定の講習を受講して認定された人のみ評価者になることができます。日本ハウズイングが管理している物件については、社内の有資格者が審査を行い、その結果をWEB上に入力します。現地調査もありませんので、管理組合の手を煩わせることはありません。いずれの制度も登録すると自動的に結果が算出され、登録時には運営主体に費用を支払う必要があります。

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