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くまもると学ぶ! 知っ得マンション生活 マンションを美しく彩る「植栽」

マンション生活

エントランスやスロープに彩りを与え、ときに居住者の皆様の憩いの場、コミュニティを育むきっかけにもなる植栽は、現代のマンションに欠かせないもの。〝植栽のプロ〞である当社植栽担当者に話を聞きました。

教えてくれた人

松井 美子日本ハウズイング 事業統轄本部
営繕管理部 営繕企画グループ 係長

植栽はマンションにとって財産のひとつ

マンション全体の敷地のうち植栽が占める割合は、建物の規模によっても異なりますが、大きいところで約20%。日本ハウズイングでは、植栽の規模や種類に応じて年2回程度の定期管理実施をおすすめしています。他の外構工事伴い植栽の形や位置を変えることがあるので、その際は設計者と連携して、最適なプランを考えます。植替えにあたっては、居住者の皆様から植物のご要望が出ることも。その場合は、敷地内の環境や日照条件を考慮したうえで、条件に合ったものをご提案しています。
手入れの行き届いた植栽は外観の一部としてマンションの印象を左右し、資産価値を上げることにもつながります。普段意識する機会は少ないと思いますが、これを機に植栽のことをもっと知ってもらい、財産のひとつとして見ていただきたいですね。


QUESTION01植栽にはどんな役割があるの?

建物をキレイに見せるほか、設備などの目隠しにも活用されています
一番の目的は、マンションの外観をキレイに見せるため。ほかにも、機械式駐車場の圧迫感を和らげたり、生垣であれば居住スペースを通行人の目から隠したり、さまざまな目的があります。また、高圧受電設備や受水槽といった設備を隠す目的で植えられた例もあります。

マンションの設備を隠す生垣。フェンスよりも美観を損ねず、壁のような圧迫感もなし。
人を入りづらくして、いたずらを防ぐメリットもあります。

QUESTION02剪定のタイミングはどうやって決めるの?

植物の種類や量に合わせて時期を決め、年に1~2回ほど剪定
植栽の種類や量によっても変わりますが、たとえば春は「サツキ」の花が咲き終わった頃、低木や生垣の剪定をまとめて行い、秋は落葉シーズンを迎える前に、「ケヤキ」をはじめとする落葉樹の剪定を行います。回数は年に1~2回が平均的です。

植栽の木の大きさや枝の量は周囲の環境や防犯上の理由から、多めにすいて、見通しを良くすることがあります。

QUESTION03植栽に向いている植物は?

お手入れが簡単で1年中“華”を添える植物が向いています
植栽には害虫がつきづらく、大がかりな剪定なく樹形を保てるものが向いています。常緑で冬期に紅葉する「オタフクナンテン」や、1年中鮮やかな黄色が楽しめる「フィリフェラ・オーレア」、また「アベリア・ホープレイズ」のように葉に白い斑が入っているカラーリーフがあると、季節を問わず華やかです。針葉樹の「イヌマキ」は、虫がつきづらく、生育が緩やかで生垣によく取り入れられます。

冬葉のオタフクナンテン(写真奥)
フィリフェラ・オーレア(写真手前)
アベリア・ホープレイズ
イヌマキ

QUESTION04害虫の対処法は?

定期的な薬剤の散布に加え管理員の報告で駆除
マンションや植栽の種類によっても異なりますが、薬剤を年に1~2回散布。たとえば「ツバキ」なら、晩春に薬剤散布を行います。とはいえ、害虫の発生時期は天候などに左右されるもの。最近は、気候の変化で害虫が越冬し、増えるケースも。日本ハウズイングでは、管理員が危険な害虫発生を発見したら、支店の担当者へ連絡。定期管理を早めたり、状況に応じたご提案をして対応しています。


QUESTION05植栽が枯れて景観が悪くなった場合の対応は?

環境を考えつつ、状況に合わせて植替え・補植
管理組合様とのご相談のうえ、補植あるいは別の樹種へ植替えることで対応しています。 個々の木が大きく育っている場合、弱った木を間引くこともあります。枯れた原因を考えて、環境に合った育ちやすい植物をご提案します。


【Before】
【After】
固くなった土を柔らかくし、植物が育ちやすい環境に。1階住居のすぐ下の植込みは、ベランダに枝がかからないよう、「アジサイ」などの低木を中心に配置しました。

植栽に関するお悩みBest3

第1位枯れる・弱る

マンションはさまざまな要因から植物の生育に恵まれた環境とは言えないため、樹齢を重ねた木は弱り、枯れやすくなります。


第2位害虫

木は弱ると害虫がつきやすくなります。温暖化の影響で増えた害虫も。定期的な薬剤散布とその都度の駆除で対応します。


第3位日当たり

木が育つことにより出てくるお悩み。 階により日が入りにくく困っている場合もあります。その際は管理組合様での協議後に対応します。

監修/小林大介(blowup)(インタビュー写真) 取材・文/仲川僚子

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