別窓アイコン 矢印 矢印02

マンション管理ゼミナール 「修繕積立金」の基礎知識 ~「思いもかけない事態」にならないために~

マンション生活

マンションの資産価値は「修繕積立金」で決まる!?

竣工直後から、少しずつ劣化が始まるマンション。その資産価値を維持・向上していくためには、計画的な修繕が不可欠です。でも、そのためには、お金が必要。おおむね10~15年で迎える大規模修繕工事では多額の費用がかかります。しっかり資金計画を立てないと、「いざ修繕!」というときになって「資金が足りない!」とあわてることに。もし必要な修繕ができなければ、劣化スピードが早まり建物の老朽化がより進んでしまうかもしれません。

また、余裕をもって修繕積立金を積み立てておくことで、最新設備の導入やバリアフリー化などマンションの性能をグレードアップすることも可能になります。
マンションの資産価値は、「修繕積立金」で決まると言っても過言ではないのです。

Q1「管理費」と「修繕積立金」は、どう違うの?

管理費は“生活費”、修繕積立金は“貯金”です。
管理組合に支払う主な費用として、「管理費」と「修繕積立金」がありますが、皆さんは毎月いくらずつ支払っているか、把握されていますか?「総額はわかっているけど、内訳までは…」という方が多いかもしれませんが、この2つの性格は全く異なります。

家計に例えるなら、「管理費」は”生活費”、「修繕積立金」は”貯金”、というと分かりやすいかもしれません。標準管理規約(第27条、第28条)では、管理費は「通常の管理に要する経費」、修繕積立金は「特別の管理に要する経費」に充当するものとされ、使途が厳密に区分されています。つまり、将来の大規模修繕工事をはじめとする計画的な修繕や不測の事故による修繕のために積み立てている修繕積立金を、「管理費が足りないから、使っちゃおう」ということはできないのです。

Q2修繕積立金の額って、どのくらい?

建物の大きさや形状などにより、異なります。
マンションの修繕工事にかかる費用は、建物の大きさ、高さ、形、仕上げ材、付帯設備などによって異なります。ですから、「修繕積立金がいくらなら適正」と一概に言えません。そのため、それぞれのマンションごとに長期修繕計画を作成し、それに基づいた適正な修繕積立金の額を設定する必要があります。

なお、修繕工事費の面からみると、一般的に次のような傾向があります。

修繕工事費が高くなる傾向要因

  • コの字型や階段状など建物の形状が複雑
  • 20階以上の超高層
  • 戸数が少なく小規模
  • 機械式駐車場がある
  • ゲストルームや温泉・プールなど共用設備が多い
  • 新築時に高級な材料を使用している
  • 鉄骨階段など鉄部が多い
  • 塩害を受けやすい海岸に近い

参考「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」

2011年4月 国土交通省公表

専有床面積当たりの修繕積立金の額
階数/建築延床面積 平均値 事例の3分の2が包含される幅
15階未満 5,000m2未満 218円/m2・月 165円〜250円/m2・月
5,000〜10,000m2 202円/m2・月 140円〜265円/m2・月
10,000m2以上 178円/m2・月 135円〜220円/m2・月
20階以上 206円/m2・月 170円〜245円/m2・月

ガイドラインは、「新築マンションの購入予定者向け」に作成されたものです。

上記は「新築時から30年間に必要な修繕工事費の総額を30年間均等に積み立てる方式(均等積立方式)による月額」として示されています。

機械式駐車場の修繕工事費は、別途加算が必要です。

15階~19階のマンションの目安は、「15階未満」と「20階以上」の目安との間に収まるものと考えられます。

Q3修繕積立金の積み立て方法は?

均等積立、段階増額積立、一時金徴収の3種類があります。
修繕積立金の積立方式には、大きく分けて「均等積立方式」「段階増額積立方式」「一時金徴収方式」の3つがあります。国土交通省から公表されている「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」によると、「均等積立方式」が望ましいとされています。

新築マンションでは、分譲時に「修繕積立基金」という一時金を徴収し、修繕積立金は低めに設定されていて数年後から段階的に値上げする計画になっているケースが一般的です。段階増額積立方式は、少しずつ金額が増えるため組合員の同意が比較的得られやすいことから、この方式を採用するマンションが多いようです。しかし、計画通りに総会への上程がなされておらず修繕積立金が低額に据え置かれたままだったために資金不足に陥り、修繕工事が予定通り実施できないマンションも少なくありません。「段階増額積立方式」を採用しているマンションは、計画をよく確認した上で着実に総会上程し、値上げを実行していく必要があります。

「一時金徴収方式」の場合は、一度に多額の資金を用意しなければならず、反対者が多数出て話がまとまらないケースが多いので、あまりおすすめできません。

均等積立方式 段階増額積立方式 一時金徴収方式
積立方式 計画期間中に必要とされる修繕費用の総額を計画期間の月数で割った額を徴収する方式。 数年ごとに段階的に値上げする方式。 大規模修繕工事など多額の費用を要する時期に、各戸から一時金を徴収することを前提とする方式。
デメリット 途中から均等積立方式を採用する場合、一度に大きな値上げとなる場合がある。 計画通り値上げしていかないと不足金が生じる可能性がある。途中で反対者が出ることもある。 一度に多額の資金を用意する必要があるので、負担が大きく、用意できない人が出ることもある。

修繕積立金の値上げには「組合員の合意形成」が必要です。

  • 値上げする場合は、早い段階で実施する
  • 急に大きな負担がかからないような資金計画を立てる
  • アンケートをとって、各組合員の意向を確認する
  • 説明会などを開催し、組合員の賛成が得られるよう努める

修繕積立金 ワンポイントアドバイス

何が最善なのかはそれぞれの管理組合ごとに異なります。「現在マンションの資金計画はどうなっているのか」「今のままの修繕積立金で十分な修繕工事ができるのか」あなたもぜひ今一度、じっくり見直してみてください。

「マンション生活」⼀覧へ戻る