「人間関係をもっと良くしたい」と思うことはありませんか?
今回は、実践すればより良い人間関係が築け、人付き合いが楽しくなるマナーについて、井垣利英先生に教えていただきました。どれも、人との縁が深くなる大切なことばかりです。
マナーの基本は相手への思いやりと感謝の気持ちです。そのことを忘れずに、これからご紹介する10のマナーのうち、ご自身がやってみようと感じたものを今日から始めてみましょう。続けて実践していくうちに、自分の人間関係が良くなっていると実感できるはずです。
併せて、いざというときに慌てずに済む、訪問の際に役立つ豆知識などをコラムでご紹介します。
目次
幸せな人付き合いの10のマナー
- お礼状は3日以内に出す
- 初対面の人や、世代の違う人と話をするときは?
- 相手と適度な距離を保ちたいなら、スタンバイ・スマイルで
- スタンバイ・スマイルのやり方
- おすすめの本や映画、音楽などを紹介されたとき
- 待ち合わせに遅れるのは“時間泥棒”と心得ましょう
- 褒め言葉は自分も相手も幸せにする魔法
- あなたを想っての言葉には感謝の気持ちを
- いただきものは大げさに喜ぶくらいがちょうどいい
- 贈り物を丁寧に開けるコツ
- 人と食事をするときはスマホをテーブルの上に置かない
- 別れるときの、また会いたくなる言葉
番外編コラム おさらい編! 訪問のマナーの豆知識
- 訪問先の家に上がるときの靴の脱ぎ方、スリッパの扱い方
- バッグはどこに置けばいい?
- 和室に通されたときの3つの「踏まない」
- 押さえておきたい手土産の心得としぐさ
まとめ
お礼状は3日以内に出す
ビジネスシーンでは必須とされるお礼状。プライベートのお付き合いでも、感謝の気持ちを相手に伝えるお礼状は、その人との関係を深めるきっかけになります。
例えば、「一緒に楽しい時間を過ごせたから」「家にお招きいただいたから」など、お礼状を出すシーンはいろいろあります。
「お礼状……」と身構えることはありません。堅苦しく考えずに、絵ハガキで十分ですし、書く内容も「お礼のひと言」でOKなので、3⽇以内というスピード感をもって出しましょう。
お礼状を受け取った相⼿が「あれ、いつのことだっけ?」とならないうちにお礼の⾔葉を届けることが大切です。
いつでもお礼状を出せるよう、自分好みの絵ハガキや切⼿を見つけたら、⼿元にストックしておきましょう。
出さない⼈が多い中で届くお礼状は、相⼿の⼼に残り、とても喜ばれるものです。写真を添えたいときは、メールでもOKです。形式にこだわらず、相手に感謝の気持ちを届けることを大切にしましょう。
初対面の人や、世代の違う人と話をするときは?
いつも会う⼈や友だちとは気軽に話せるのに、初対⾯の⼈や世代が違う相⼿とは何を話したら良いのか⼾惑ってしまう、という⼈もいるでしょう。
⼈との出会いは⼀期⼀会です。「今、ちょうどこの方と話をするチャンスが巡ってきた」と捉え、初対⾯であろうと、世代が違う⼈であろうと、その時間を⼤切に笑顔で⾔葉を交わしてみましょう。
そんなときに大切なのは、コミュニケーションの基本である「相手に興味を持ち」「話をしっかり聞く」ことです。まずは出身地や趣味などの”共通点”をゲーム感覚で探りながら、興味を持って、笑顔で相手の話に耳を傾けてみると楽しくなってきます。共通点が見つかると、お互いに自然と心が開いていきます。そうなれば、話が弾むようになりますし、⾃分も楽しくなるのです。
相手と適度な距離を保ちたいなら、スタンバイ・スマイルで
ママ友や親戚付き合いのように、ある程度の距離を保ったお付き合いをしたい場合、おすすめの⽅法があります。それは、「とにかく微笑んで、その場にいる」です。
イメージとしては皇族の皆さまの微笑みです。この微笑み⽅をスタンバイ・スマイルといいます。
話を聞くときには、常にこのスタンバイ・スマイルを浮かべて、相槌を打ちながら聞くようにしましょう。
相⼿は「よく話を聞いてくれている」と感じ、あなたに好感を持つはずです。
このスタンバイ・スマイル、簡単なように思えるかもしれませんが、ずっと笑みを保ち続けるのは案外⾄難の技。過去記事でご紹介した「表情トレーニング」を毎日続けると、笑顔を保つ筋力アップにつながるので、おすすめです。
なお、相⼿と距離を置きたいときは、「また会いましょうね」といった社交辞令は極力口にしないようにします。誘われた場合は、「先の予定は分からないので」と笑顔でかわすのがコツです。
スタンバイ・スマイルのやり方
①両サイドの口角に、それぞれ人差し指を当てます。
②指先をグッと持ち上げます。
③口角が上がったところで指を外しますが、口角は上げたままをキープします。
おすすめの本や映画、音楽などを紹介されたとき
⼈に本や映画、⾳楽などを紹介するときは、「この⼈にぜひ、⾃分の好きなものを知ってもらいたい」と⼼から思っているはずです。つまり、紹介する相⼿に⼼を開いているということ。
ですから、もし相⼿から何かをおすすめされたら、相⼿の思いを受けとめて、実際にそのおすすめを実行してみましょう。その上で、感想を何らかの形で伝えるのは、相⼿との距離を縮める最良の⽅法となります。
いいなと思ったところや、共感できたところなどを、具体的に伝えるようにします。
相手のおすすめを実行して、さらに感想を伝えられている⼈は意外と少ないので、相手の心に印象深く残ることでしょう。良い人間関係を築いている人は、そういうことをきちんとやっている人なのです。
待ち合わせに遅れるのは“時間泥棒”と心得ましょう
⼈付き合いの中で特に守りたいルールは、「相⼿の時間を⼤切にする」ことです。
例えば、待ち合わせの時間に遅刻するのは、相⼿の時間を無駄にしてしまうこと。
⾃分にとっても相⼿にとっても、「いま」という時間はかけがえのないものです。お⾦は借りてもあとで返せますが、過ぎた時間は返すことができません。
⾃分が遅れたことで、相⼿の貴重な時間を無駄にしてしまう、そんな時間泥棒にならないよう、30分前⾏動を意識してみましょう。
「たった5分遅れただけ」と軽く考える⽅もいるかもしれませんが、相⼿は20分前から待っていたかもしれないのです。
また、例え遅れるつもりはなくても、電車遅延などで遅刻してしまうことがあるかもしれません。その場合は、遅れると分かった時点で、すぐに連絡を入れましょう。今いる場所と遅れている理由や状況を相手に具体的に伝えます。
そして、待ち合わせの場所に着いたら、第⼀声は謝罪の⾔葉。
「事前に知らせているから」といって、相⼿の時間を奪っていることに変わりはありません。⼼から謝るのが⼈付き合いのマナーです。
褒め言葉は自分も相手も幸せにする魔法
もし自分のことを褒めてくれる人がいたら、誰でも幸せな気持ちになるものです。そして、褒めてくれた相手に対し、好印象を持ちます。ですから、褒め⾔葉は良い人間関係を築く上で大切な魔法の⾔葉です。
脳科学の研究によると、褒められた⼈は幸せホルモンが30%も増えるそうです。驚くことに、褒めた⼈のほうは70%も増えるのだとか。
⼈間関係を良くしたいと思ったら、お互いが幸せになるために、相⼿の良いところを⾒つけて褒めましょう。
ポイントは、最初から「相⼿の良いところを⾒つけよう」と意識すること。そして、「いいな」と思った点を⾔葉にしてみましょう。
井垣先生は、喫茶店や電車の中でステキな人を見つけたら常に、「あの人のどんなこころがステキだと感じたのかな?」と研究しているそうです。「人間観察は、人の良いところを見つけるトレーニングになるのでおすすめです」とのこと。
「相⼿の良いところ」探しが習慣化すると、自然と見つけるのがうまくなり、⼈間関係も良くなっていきます。そして、褒めてもらったときは、「ありがとう」と素直に受け⽌めて、笑顔で喜び、⾃分の⼼の栄養にしましょう。
褒めたほうも喜んでもらえると嬉しくなります。
そうやって、お互いに幸せな気分になり、良い⼈間関係が培われていくのです。
あなたを想っての言葉には感謝の気持ちを
親しい人から自分の良くない行動を指摘されて、思わずムッとしてしまった経験のある方は多いのではないでしょうか。自分でも自覚しているだめなところこそ、人に指摘されると、恥ずかしさから「ムッ」としてしまうものです。しかし、その指摘を思い返したとき、「あの人が言ってたことは正しい、自分のために言ってくれたんだな」と思ったら、後からでもその相手に「ありがとう」の気持ちを伝えましょう。
なにも指摘してくれた人全員に感謝しましょうということではありません。残念ですが、中にはあなたのことを想わずに発せられた言葉もあるでしょう。ですが、あなたを想って指摘して伝えてくれている人は、あなたに嫌な人だと思われるかもしれないというリスクを負って伝えてくれています。それでも指摘してくれる人はあなたにとってとても「ありがたい存在」なのです。
ムッとするのは仕方のないこと、大切なのは納得したら素直に認めることです。反省は落ち込むためにすることではなく、成長するためにすることです。耳が痛いことを言われたとき、素直に反省し、感謝の心を持つことで、あなたはまた一つ成長することができるでしょう。
いただきものは大げさに喜ぶくらいがちょうどいい
友人からの⼿⼟産や贈り物など、いただきものをしたときには、こちらが喜んでいることが相⼿に伝わるように、大げさなくらいうれしい気持ちを伝えましょう。 いただきものには、贈る相手のことを想って品物を選ぶために使った時間など、お金だけでははかれない価値があります。そのことにも感謝できるようになれたらステキです。
とはいえ、相⼿がせっかくあなたのことを思って選んでくれたものでも、苦⼿なものを贈られる場合もあるかもしれません。
贈ってくれた気持ちに感謝するあまり、苦手なものなのに「これ好きなんです」などとうそを言う必要はありません。
「すごく珍しいものですね」「とてもきれいですね」と、違う⾓度からの褒め⾔葉を相⼿に伝えましょう。そうすることで、感謝の気持ちが相⼿にちゃんと伝わります。
また、品物を開けるときは、相⼿がいる場ではなくても、包装紙やラッピングをビリビリに破いたりせず、できるだけ丁寧に開けるようにしましょう。「丁寧に開けること」が感謝の気持ちの表現になり、物を大切にする心、人に対する礼儀につながります。
贈り物を丁寧に開けるコツ
①のし紙・かけ紙を丁寧に剥がします。
②包装紙をとめてあるテープなども一つ一つ剥がします。
③包み紙などは、きちんと畳んで横に置いておきましょう。
④ゆっくり箱などを取り出します。
人と食事をするときはスマホをテーブルの上に置かない
最近⾒かけるのは、誰かと⾷事をしながら楽しく会話をしているにも関わらず、スマホをテーブルの上に置いている光景です。
⼈間関係においては、⼈と会っているときには、⽬の前のいる⼈に気持ちを集中することが⼤切です。
いつもテーブルの上にスマホを置いているのは、「⽬の前にいる相⼿よりも、いつかかってくるか分からない電話やメールのほうが⼤切」だと示すようなもの。相⼿に対して⼤変失礼なことだと覚えておきましょう。
例えば、折り返しの電話をお願いしている相手がいる場合などは、一緒に食事をする相⼿にひと⾔伝えておきます。そうではない限り、スマホはバッグの中にしまっておきましょう。そして、万が⼀電話やメールの着信に気付いたとしても、出ないのがマナーです。
別れるときの、また会いたくなる言葉としぐさ
別れ際の印象的なあいさつや笑顔は、いつまでも記憶に残るものです。
「幸せな人付き合い」のためにぜひ意識していただきたいのは、必ず笑顔で別れること。自分で心がけていないと、意外とできていないものです。
別れの挨拶も、相手が幸せな気持ちになるような言葉を選びましょう。おすすめなのは「会えてよかった」という言葉。思いやりのある温かい言葉で、別れたあと、いつまでも心に残るプラスの言葉です。
楽しいひとときを過ごしたあとの別れ際は、“笑顔”と“「会えてよかった」のひと言”を忘れないようにしましょう。手を振るときは指先をそろえて手のひらを見せながら振ることで、その日心から楽しんだことを伝え、相手もまたあなたに会いたくなる、別れのしぐさになります。
番外編コラム おさらい編! 訪問のマナーの豆知識
●訪問先の家に上がるときの靴の脱ぎ方、スリッパの扱い方
①正面を向いたまま靴をそろえて脱ぎ、そのまま上がって用意されたスリッパを履きます。素足や靴下のまま人の家の床を踏むのはおすすめしません。
②家の人にお尻を向けないように注意して腰を落し、靴の向きを変え、端に寄せて置きます。
ワンポイント アドバイス
お客様をお迎えする側の場合、お客様が端に寄せた靴を帰りに履きやすいように玄関の中央に戻します。ただし、お客様の目の前では戻さず、頃合いを見て後からそっと移動させておきましょう。
③おいとまするときは、出口のほうを向いたままスリッパをそろえて脱ぎ、靴を履きます。
④脱いだスリッパの向きを逆にして、端の方に置きましょう。
●バッグはどこに置けばいい?
①小ぶりのバッグなら、太ももの横か、背もたれの間に置いて座るようにします。
②大きいバッグの場合は、自分の足元など、周囲の人の妨げにならない場所に置きましょう。レストランなどでは、隣の席が空いている場合は、隣のイスに。バッグや鞄をテーブルの上に置くのはNGです。
●和室に通されたときの3つの「踏まない」
和室に通されたときに踏んではいけないものは、①敷居、②畳のヘリ、③座布団の3つです。
例えば、和食のお店でお座敷に通されたときや、蕎麦屋などの小上がりでも、和室のマナーとして、きちんと守るようにしましょう。お店の人や相手への礼儀として、大切にしたいところです。
●押さえておきたい手土産の心得
心得① 手土産は必ず持っていくものと心得ましょう。自宅に招待されたら手土産は必須です。相手はあなたをおもてなしするための準備をしてくれた人です。その気遣いと「お世話になることへのお礼」として手土産を用意すると考えましょう。
心得② 手土産は前日までに用意します。相手の好みが分かれば、相手の好きなものを持っていくと良いでしょう。当日、相手の家の最寄り駅やご近所で買うのは、心のこもった手土産という観点からするとNGです。
心得③ 手土産はケーキや生ものの場合は玄関先で、それ以外の物は、家にあがってお茶などを振る舞われたときにお渡しします。
過去記事で「周りから愛される人の“手土産&プレゼント”の極意」を紹介しておりますので、そちらもぜひご覧ください。
まとめ
今回、幸せな人付き合いの10のマナーをご紹介しましたが、まずは一つ、気になったものを今日から始めてみてはいかがでしょうか。そしてそれをぜひ続けていただきたいのです。人付き合いは日々のコミュニケーションの積み重ねで、良くも悪くもなるものです。この記事には、幸せな人付き合いにつながるエッセンスが詰まっています。正解もテンプレートもない「人付き合い」。だからこそ、その難しさに悩まれる方も多いかと思います。誰かと接するときはいつでも笑顔でいること。そして常に、相手への思いやりと感謝の気持ちを持つことで、きっとあなたも、相手も幸せになれるステキな関係を築いていけるのではないでしょうか。
Adviser

井垣 利英(いがきとしえ) (株)シェリロゼ代表取締役 、 人材教育家、 マナー美人塾塾長
名古屋生まれ、東京在住。中央大学法学部在学中からフリーアナウンサー としてテレビ出演。
2002年(株)シェリロゼを起業。20年間で3万人以上を指導。自社の【キレイな生き方講座】などでマナー、プラス思考、話し方などを指導。また全国の企業で、社員研修や講演会を年間100本ほど行う。
やる気とマナーを上げて、売上アップにつなげる日本で唯一の専門家。
著書は『ふんわりと上昇気流に乗る生き方』(サンマーク出版)、稲盛和夫氏推薦の『仕事の神様が”ひいき“したくなる人の法則』(致知出版社)など19冊。
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編集協力/中西后沙遠(なかにしみさお) 撮影/森武志
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