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誰にも聞けなかったマナー講座 気品がにじみ出る「手先の法則」

暮らし

日常の中で、テーブルに手を置いたり、物を持ったりするときなどに、ご自分の”指先”を意識したことはありますか? 例えば、文字を書くとき、筆記用具を握っている手と反対の手を見てみると、じゃんけんのパーのように指先が開いていることはありませんか? もし開いていたら、気付いたそのときに、そっと指を閉じてみてください。指先を閉じるだけでキレイなしぐさに見えるようになります。今回は、”指先”を意識することで、普段の何気ないしぐさが一気にステキになる「気品がにじみ出る”手先の法則”」についてご紹介します。

目次

01手先の法則① 指先をそろえる

  • テーブルに手を置くとき
  • 文字を書くとき
  • グラスやペットボトルなどを持つとき
  • 番外編コラム 「あっ!と思ったとき」に意識して指先を閉じてみましょう

02手先の法則② 手のひらの使い方をマスターする

  • 番外編コラム 手のひらを相手に向ける意味とは
  • 書類を見せるとき
  • 方向(行先)を指し示すとき
  • あいさつで手を振るとき

03手先の法則③ 物の受け渡しは”両手”で行う

  • 書類や本を渡すとき
  • ハサミを渡すとき
  • 受け取るときは両手で

04手先の法則④ 物をつかむときの”きつねの法則”

  • ハンカチを手に取るとき
  • 汗を拭くとき
  • 電話の受話器を取るとき

05手先の法則⑤ 音をたてない手先の使い方

  • カップや湯飲みを置くときは”小指の法則”
  • ドアを閉めるとき
  • 電話の受電器を置くとき

まとめ

01手先の法則① 指先をそろえる

手先の法則の基本は、”指先をそろえること”です。意識していないと意外と開いてしまう指先ですが、座っているときや何かを指し示すとき、何かを持つときなど、どんな場合も、無造作に開いているより「そろえる」ことが手先を美しく見せる原則になります。
「具体的には、いつ指先を意識したらいいの?」と疑問に思われる方もいらっしゃると思いますので、日常の場面を取り上げながらご紹介します。
どんなシチュエーションでも、常に指先はそろっているよう心がけましょう。指先に意識を向け、しっかりと閉じるようにすると、自然と緩んでいた足も閉じ、背筋も伸びるはずです。その結果、凛とした雰囲気が出るのです。

テーブルに手を置くとき

家族や友人との会話を楽しみながらレストランで食事が運ばれてくるのを待つとき、仕事での打ち合わせなど、テーブルの上に手を置くような場面でも、指先をそろえるように意識してみましょう。
テーブルに置いた手の指先が閉じているか開いているかで、印象が大きく異なります。これは立っているときも同じで、体の前で重ねる両手の指先をそろえることで、きれいな立ち姿となります。

文字を書くとき

文字を書くとき、筆記用具を握っている手と反対の手はテーブルの上に出し、書いているノートなどにそっと添えましょう。このとき、手の指先を閉じてそろえると品のあるしぐさになります。書くことに気を取られていると、指先が開いてしまうので、気付いたときだけでも良いので、指をそろえるように意識してみてください。

グラスやペットボトルなどを持つとき

食事の際に、脚付きグラスやコップ、器を持つときも指先をそろえましょう。ペットボトルを持つときも、指先がそろっているだけで上品に見えます。

番外編コラム「あっ!と思ったとき」に意識して指先を閉じてみましょう

指先は意識して閉じようと思わなければ、開いてしまうものです。「常に指先を閉じる」というしぐさは、なかなかできることではありません。そのため、普段から「あっ!指先が開いている」と気付いたときに、意識して閉じるようにしてみましょう。そうすることで、指先に意識が向くようになり、自然と指先を閉じる習慣が付いていきます。日々意識をすることで身に付いた美しいしぐさは、見た人に「ステキだな」という印象を与えることでしょう。
ステキな人になる第一歩として、今日から「指先を意識して閉じること」をはじめてみてはいかがでしょうか? 自分の開いている指先を見て「閉じないと!」と思えるようになったら、よりエレガントな人に近付いている証拠です。


02手先の法則② 手のひらの使い方をマスターする

場所や方向などを指し示すときや、あいさつなどで誰かに手を振るときに覚えておきたいのが、手のひらの使い方です。手を使って何かを指し示すときには、指ではなく、手のひらを使って指し示すようにしましょう。手のひらの使い方のポイントは、自分の手のひらを相手にしっかりと見せることです。そうすることで、より上品で丁寧なしぐさとなります。

番外編コラム手のひらを相手に向ける意味とは

「手の内を見せる」という言葉がありますが、これは「心の中で密かに考えていること、作戦などを相手に知らせる」という意味です。この「手の内」とは手のひらのことです。手のひらを、あえて相手に見せるのは「あなたに対して、自分は心を開いていますよ」という合図になります。そのため、何かを指し示すときに手のひらをしっかりと相手に見せることは、相手に安心感を与える丁寧なしぐさだと言えるでしょう。

書類を見せるとき

「こちらをご覧ください」と書類やパンフレットなどを指し示すときは、指先をそろえ、手のひらを相手にしっかり見せながら示すようにしましょう。人差し指で示すよりずっとエレガントで丁寧なしぐさとなり、相手に良い印象を与えます。

方向(行き先)を指し示すとき

場所や方向を指し示すときも、相手に手のひらを向け、手のひら全体を使って示すように心がけましょう。この場合も、指が開かないよう意識して閉じておくことがポイントです。

あいさつなどで手を振るとき

楽しい時間を過ごした親しい人と手を振ってお別れするときなど、手のひらを相手に見せながら振ることで、その日心から楽しんだことを伝えることができます。帰り際の”笑顔、しぐさ、言葉”は相手の印象に残るため、相手との関係を大切にするのであれば、より意識するとよいでしょう。
手の位置は顔より下に。脇を締めて指先をそろえ、にこやかに、手を小さく左右に振りましょう。また会いたくなる別れのしぐさです。



03手先の法則③ 物の受け渡しは“両手”で行う

物の受け渡しは両手で行うようにしましょう。例えば、本や書類などを、街頭でチラシを配るシーンのように片手で渡すと、あまり丁寧なしぐさとはいえません。
相手が受け取りやすいように両手で渡すことで、丁寧な対応の人だなという印象を与えるでしょう。また、渡す側からは物を大切にしているという愛情が伝わります。そうすることで、受け取る側も「大切な物を受け取った」と感じるのです。日常の中で、物を渡すときも受け取るときも、両手で行うことで、相手に敬意を払いましょう。

書類や本を渡すとき

書類や本は、表紙や文字が渡す相手に向くように両手で持ちます。このとき、指先が閉じているとより美しく見えます。

渡すときは、相手が受け取りやすいように、相手の胸とおへその間くらいの位置を目指すイメージで、ゆっくり上向きの半円を描くようにして渡しましょう。

名刺やメモなどの小さなものでも、片方の手を下から添えるようにして渡すとより丁寧なしぐさになります。

ハサミを渡すとき

ハサミなどの刃物類を誰かに渡すときには、刃先が相手に向かないよう、自分のほうに向けて持つのが基本です。指先をそろえて、ハサミの刃先の部分を両手で持ちましょう。

相手に渡すときは、ゆっくり半円を描いて相手の手元に持っていきます。そして、相手が受け取りやすいように最後に片手を放して渡します。持ち手があるものを渡すときは、持ち手を相手に向けるようにしましょう。

受け取るときも両手で

物を受け取るときは、片手ではなく、両手で「ありがとうございます」といいながら、受け取るようにしましょう。小さなものでも手を下から添えるようにして受け取ります。そのときも、必ず指先はそろえましょう。



04手先の法則④ 物をつかむときの“きつねの法則”

物をつかむとき、無意識に指先が開いた“わしづかみ”になっていないでしょうか。
物をつかむときに、ぜひやっていただきたいのは“きつねの法則”と呼ばれる手の形です。手を影絵のきつねの形と同じようにして、中指・薬指と親指で物をつかむようにします。物をつかむ姿が美しく、エレガントに見えます。

ハンカチを手に取るとき

バックの中からハンカチを取り出すとき、無造作につかむのではなく、きつねの手の形でつかむようにしてみてください。ティッシュやボールペン、メガネといった小物類も、「何かものをつかむときには”きつねの法則”」を心がけましょう。

汗を拭くとき

「ハンカチで汗を拭く」といった何気ない動作も、きつねの法則で行えば「あら」と人の視線が手元に注がれるような品のある美しいしぐさとなります。

電話の受話器を取るとき

電話の受話器を取るときも、握りしめるのではなく「きつねの法則」がおすすめです。受話器の下のほうをきつねの手の形で軽く持ち、もう片方の手を指先をそろえて添えるとエレガントに見えます。自分のあごと肩の間に受話器を挟む電話の受け方は、見た目が美しくないだけではなく、受話器と口元が離れやすいため、こちらの声が遠くなり、相手も聞き取りづらくなってしまうので、おすすめはしません。このように、常日頃くり返し行うようなしぐさも、その一瞬、手先を意識するように心がけるだけで、より一層ステキになります。


05手先の法則⑤ 音をたてない手先の使い方

余計な音や大きな音をたてないのが、洗練されたしぐさであり、マナーでもあります。特に、ドアをバタンと閉めたり、カップをソーサーにガチャンと置いたり、電話の受話器をガチャッと音をたてて切るのは、エレガントさに欠けてしまいます。
うっかりたててしまいがちなこのような音も、手先の使い方を知っていれば避けられますので、ぜひ身に付けてみてはいかがでしょうか。

カップや湯飲みを置くときは“小指の法則”

カップや湯飲みなどをソーサーや茶たく、あるいはテーブルに直接置くときには、小指を先にテーブルに着けてからにすると、大きな音をたてずにカップを置くことができます。これを“小指の法則”といいます。

01カップがソーサーに触れる前に、先に小指をテーブルに着地させます。

02次に、ゆっくりとカップを下ろしながらソーサーにそっと置きましょう。

ドアを閉めるとき

ドアを閉めるときに、バタン・ガチャンといった音をたてていませんか? これは、ラッチ(ラッチボルト)というドアの側面についている突起が出たまま、ドアを閉めることによって出てしまう音です。静かにドアを閉めるためには、片方の手でドアノブを回わしてラッチをしっかりと引っ込めてから、もう片方の手をドアノブよりも少し上の位置に添えて、そっと閉めるようにしましょう。この時、ドアに添えた手の指先をそろえておくとより美しいしぐさとなります。ドアを開けるときも、ドアノブを回し、ラッチがしっかりと引っ込んでいる状態で、ゆっくりと開けるようにしましょう。こうすることで音がたちにくくなります。


電話の受話器を置くとき

電話を切るときは、受話器を耳に当てたまま、フックスイッチをそっと指で押して切るようにしましょう。そうすると、音をたてずに静かに切れますし、相手がまだ会話を続けているのに切ってしまうといったことも回避できます。受話器を直接電話機に置いて切ると、相手にガチャンと音が響いてしまうので気を付けましょう。

まとめ

今回ご紹介した「気品がにじみ出る”手先の法則”」、いかがでしたでしょうか?
大切なのは常にご自身のしぐさに気を配る習慣付けをしていくことです。例えば、ふと添えた手の指先が開いていたら、気付いたときにすぐ閉じるようにする。そういった意識付けの繰り返しが、あなたのしぐさをぐっと磨き上げていくことになるでしょう。まずは「指先をそろえる」ことから、あるいは「きつねの法則でものをつかむ」ことからなど、どれか1つだけでもいいので、「これをやってみよう」と決めて今日から実践してみましょう。きっと、いまよりもっとステキな人になれるはずです。

Adviser

井垣 利英(いがきとしえ) (株)シェリロゼ代表取締役 、 人材教育家、 マナー美人塾塾長

名古屋生まれ、東京在住。中央大学法学部在学中からフリーアナウンサー としてテレビ出演。
2002年(株)シェリロゼを起業。20年間で3万人以上を指導。自社の【テーブルマナー講座】や【キレイな生き方講座】などでマナー、プラス思考、話し方などを指導。また全国の企業で、社員研修や講演会を年間100本ほど行う。
やる気とマナーを上げて、売上アップにつなげる日本で唯一の専門家。
著書は『ふんわりと上昇気流に乗る生き方』(サンマーク出版)、稲盛和夫氏推薦の『仕事の神様が”ひいき“したくなる人の法則』(致知出版社)など19冊。

シェリロゼ オフィシャルサイト
YouTube(井垣利英チャンネル)
Instagram(@igaki_etiquette)

編集協力/中西后沙遠(なかにしみさお) 撮影/森武志

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