人に愛される人というのは、常に明るく思いやりと感謝の気持ちにあふれ、相手に喜ばれるものを選んでプレゼントするのが上手です。
そこで今回は、愛される人がいつもやっている「お礼のギフト」「手土産」「旅行のお土産」「プチプレゼント」について、その極意をご紹介します。さらに「こんなときは、どうしたらいい?」という手土産とプレゼントにまつわる疑問にも、井垣利英先生にお答えいただきました。
大事なのは、相手のことを思い、相手への感謝の気持ちを贈り物に託すこと。そして、プレゼントを贈ること自体を自分が楽しみ、幸せな気持ちになることです。
目次
お世話になったときは「感謝の気持ちを乗せて」贈りましょう
- 自分が食べて「美味しい!」と思った物を贈る
- 贈る相手の好みを考える
- 「これを贈れば間違いない」という自分の定番商品を持っていよう
心に残る手土産の選び方
- 手土産には年中行事にちなんだ和菓子を
- 生花のミニブーケを贈る
旅行のお土産はその土地でしか買えないものを
- 必ず産地はどこかを確かめよう
プチプレゼントのすすめ
- 「あの人が好きなもの」を見かけたときに、買って贈る
- 「これを贈りたい」とひらめいたときが、贈るタイミング
- 落ち込んでいる相手を励ましたいときに、相手の好きなものを贈ってみる
- プチプレゼントは自己満足の世界でいい
<コラム>
- 手土産とプレゼントのQ&A 教えて、井垣先生!
まとめ
お世話になったときは「感謝の気持ちを乗せて」贈りましょう
誰かにお世話になったと感じたときは、その感謝の気持ちを相手に伝える方法として、プレゼントを贈るのがおすすめです。その際、ひと言でもよいので、必ずお礼の言葉を書いたメッセージカードを添えましょう。お店から配送するときも、お願いすればメッセージカードを同封してもらうことができます。お店によってオリジナルのメッセージカードを用意しているところもあります。
感謝の品物を贈るシーンというのは、大事な人を紹介してもらったときや、助けてもらったとき、食事をごちそうになったときなど、いろいろです。
例えば、食事をごちそうになった場合、その場で「ごちそうさまでした」と伝えるだけでなく、後日、その感謝の気持ちをプレゼントに託して送るのが、周りから愛される人がさり気なくやっていること。
相手はそんなお礼の品が届くとは思っていないので、驚きつつも、きっと喜んでくれるはずです。
自分が食べて「美味しい!」と思った物を贈る
食べ物を贈るときは、「有名店のお菓子だから」「いま流行っているから」「行列ができる店だから」という理由で選ぶのもひとつですが、おすすめしたいのは、実際に自分が食べて「美味しい」と思ったものを選ぶこと。より相手に気持ちが伝わります。

贈る相手の好みを考える
お菓子であれば、甘いものが好きな人もいれば、しょっぱいものが好きな人もいます。お菓子よりもお酒の好きな人、コーヒーが好きな人と、人の好みはいろいろです。もし相手の好みが分かっているのであれば、その人の好みに合わせて品物を選ぶことが大切です。
「これを贈れば間違いない」という自分の定番商品を持っていよう

相手の好みがわからないとき、「これを贈れば間違いない」という自分の中での定番商品があると、あれこれと悩まずに自信を持って贈ることができます。
例えば「おいしいあられとおせんべいの詰め合わせ」といった、誰にでも好まれる、シンプルでベーシックなものがおすすめです。癖のある味のものは避けたほうが無難でしょう。
自分でいろいろ試してみて「これなら誰でも美味しいと思うはず」、と自分の定番商品になり得るお気に入りの品物を見つけておきましょう。
心に残る手土産の選び方
友人宅を訪問するときや、久しぶりに会って食事をするときなどは、一緒に過ごす時間への感謝の気持ちを込めて、手土産を用意しましょう。旬の食材を使ったものや季節感のあるものが喜ばれます。
手土産には年中行事にちなんだ和菓子を
毎月のようにある年中行事。おすすめはその年中行事にちなんだ和菓子を手土産として贈ることです。
ひな祭りにはひなあられ、端午の節句には柏餅、七夕には星をイメージした和菓子屋さんオリジナルの練り切り、九月には重陽の節句にちなんで菊の最中などなど。
年中行事は忙しいとつい忘れがちです。そんな中、年中行事にちなんだ手土産を受け取った相手は、そこから日本の伝統文化や季節を感じられるはず。季節感のある手土産は、友人との楽しい思い出に美しさも添えてくれることでしょう。
手渡しするときには、例えば菊の最中なら「重陽の節句の時期ですね。菊は長寿を願う縁起ものです。いつまでもお元気でという願いを込めて、菊の最中をお持ちしました」といった贈り物にちなんだひと言を添えてみましょう。きっと、そこから会話が弾むはずです。

生花のミニブーケを贈る

女性同士のお食事会などには、お花屋さんで小さなブーケを作ってもらいプレゼントするのもステキです。
ブーケを作ってもらうときのポイントは3つあります。
- 贈る相手の好きな色の花を選ぶこと
- 贈る相手の好きな花を中心にブーケを作ってもらうこと
- 好きな色や花が分からない場合は、贈る相手の写真をお花屋さんに見せて「この方のイメージに合いそうなブーケを作ってください」とお願いすること
そして最後にブーケの予算を伝えれば、お花屋さんはその予算に見合ったブーケを作ってくれます。

ブーケを相手に渡すときには、「〇〇さんのイメージに合わせてブーケを作ってもらいました」のひと言を添えましょう。きっと喜んでくれるはずです。
旅行のお土産はその土地でしか買えないものを
旅行のお土産は、その土地らしいもので、かつ贈りたい相手の好みのものを探しましょう。
例えばお酒が好きな人なら、その土地で作られている日本酒やビールを、お料理好きな方には、その土地ならではの調味料などです。
また、例えば鹿児島に旅行をした際、名物のさつま揚げをお土産にしようと思ったとしましょう。お土産屋さんで買うと確かにスピーディーですが、現地のスーパーなどで地元の人に「一番おいしいさつま揚げを教えて」と聞いて、それを買い求めるのもよい方法です。地元の人だけが知っているおいしい調理法などの情報も一緒に伝えると、楽しい旅行気分を相手にも味わってもらうことができます。

必ず生産地はどこかを確かめよう
旅行土産は、現地でしか入手できないものを選ぶようにしましょう。
金沢のお土産を買ったつもりで、生産地を見たら大阪だった、外国産だったということはありませんか? せっかく旅行に行ったのですから、お土産はその土地でとれたもの、作られたものを選ぶのは大切なポイントです。
商品の裏側に記載されている生産地や製造地をきちんと確認しましょう。

プチプレゼントのすすめ
プチプレゼントというのは、何でもない日に、ふと「プレゼントしたいな」と思い付いて贈るものです。
相手のことを思い、日頃の感謝の気持ちや愛情を品物に託して贈ります。相手に負担を感じさせることなく、さりげなく贈ることがポイント。
プチプレゼントですから、たとえばメモ帳やふせんなどちょっとしたものでいいのです。大げさなものでなくても、相手のことを考えて選ぶものなら、気配りや遊び心はちゃんと相手に伝わります。
「あの人が好きなもの」を見かけたときに、贈る

大切なのは親しい友人や、いつもお世話になっている人の好みを知っておくこと。会話の内容や持ち物など、常日頃からアンテナを張っていれば、おのずと分かるものです。
たとえば、井垣先生が塗り絵にハマっていると知ったご友人から、削りかすが花びらの形になる色鉛筆のセットを贈られ感激したことがあるそうです。こうしたプチプレゼントには、もらった方は嬉しい驚きがあり、贈り手のセンスが光ります。
相手にしばらく会う予定がないときは、メッセージカードを添えて贈りましょう。「いま、思ったときに贈る」のがプチプレゼントの極意です。
落ち込んでいる相手を励ましたいときに、相手の好きなものを贈ってみる
プレゼントには、人を幸せな気持ちにしたり、元気付けたりする力があります。
親しい人が落ち込んでいると察したときは、その人の好きな食べ物や飲み物などを、元気になってねという気持ちを込めて送るのも、プチプレゼントならでは。相手はほんの少しだけでも、気分が明るくなるはずです。
プチプレゼントは自己満足の世界でいい
プチプレゼントというのは、言ってみれば「自己満足」の世界です。相手にぴったりのプレゼントを見つけられた喜びがあり、自分も幸せな気持ちになれるからです。プレゼントすること自体を自分自身が楽しむ、それがプチプレゼントです。

手土産とプレゼントのQ&A 教えて、井垣先生!
Q1お食事会をするのでと、友人宅に招待されました。「手ぶらできてね」と言われましたが、本当に手ぶらで良いのでしょうか? 手ぶらで、と言われたのに手土産を持っていくのは、かえって失礼にあたるかなとも思うのですが。
A.「手ぶらできて」と言われた場合も、お菓子やお酒など何か手土産を持っていくとよいでしょう。心を込めて選ぶ手土産です。失礼にあたるわけがありません。
Q2行けなくなった人がいるからと、舞台のチケットをいただきました。「無駄にならなくて済むのでありがたいから、チケット代は要らない」と言われました。そういう場合はどうしたらいいですか?

A.「おかげさまで楽しかったです」と感想を交えたメッセージカードを添えて、後日お礼の品物を送りましょう。
チケットをくれた人と会場で会う場合、手土産を持っていくと相手は置く場所に困りますし、荷物が増えてしまいかえって煩わせることになりかねません。その場合、遅くとも1週間以内にメッセージカードを添えてお礼の品物を贈りましょう。
Q3相手への手土産を持って、待ち合わせ場所で合流したのですが、会ってすぐに渡すと相手の荷物になりそうです。かといって自分が持っているのは明らかに相手への手土産と分かります。その場合、いつ渡すのがいいですか?
A.このような場合は、相手への配慮として別れ際のタイミングで「今日はありがとうございました」と言って渡しましょう。
Q4お宅を訪問する時、手土産はどのタイミングで渡せばいいですか?
A.ケーキやシャンパンなど冷やした方がよいものは、玄関を入ったらすぐに中身を言って渡しましょう。それ以外の常温でよいものは、部屋に通されて荷物を置いて落ち着き、お茶を出されたタイミングで渡します。なぜその手土産を選んだかなど、説明を加えて渡すと、ワクワク感が増すことでしょう。

Q5友人同士3人でのランチ会で、相手の2人は手土産を持参してきたのに、忙しくて買う暇もなく、手ぶらで行ってしまいました。こういう場合は、どうしたら良いですか?
A.相手が親しい友だちであっても、後日ちょっとした物を送りましょう。
手土産は、前日までに用意することをおすすめします。当日に買おうと思っていると、買い損ねることもあります。手土産は「わざわざ買いに行った」「取り寄せた」という手間が大事です。相手を思って用意したことが伝わると、さらに喜んでもらえるはずです。
まとめ
今回は誰もが迷いがちな「手土産とプチプレゼント」について、詳しくお伝えしました。「感謝の気持ち」「相手を思う気持ち」を形にして伝えるのが、手土産とプチプレゼントです。試しに誰かに何か、ちょっとしたプレゼントをしてみてはいかがでしょう? 贈ることと、相手の反応が楽しくて、いつもよりもっと幸せな気分になれると思います。それが、手土産とプレゼントの醍醐味です。
撮影協力
御あられ処 九段一口坂 さかぐち
東京都千代田区九段北4-1-5

Rumours(ルーモアズ)
東京都渋谷区恵比寿 4-23-10 1F

Adviser

井垣 利英(いがきとしえ) (株)シェリロゼ代表取締役 、 人材教育家、 マナー美人塾塾長
名古屋生まれ、東京在住。中央大学法学部在学中からフリーアナウンサー としてテレビ出演。
2002年(株)シェリロゼを起業。20年間で3万人以上を指導。自社の【会話美人講座】【マナー美人塾】でマナー、プラス思考、話し方などを指導。また全国の企業で、社員研修や講演会を年間100本ほど行う。
やる気とマナーを上げて、売上アップにつなげる日本で唯一の専門家。
著書は『ふんわりと上昇気流に乗る生き方』(サンマーク出版)、稲盛和夫氏推薦の『仕事の神様が”ひいき“したくなる人の法則』(致知出版社)など19冊。
シェリロゼ オフィシャルサイト
YouTube(井垣利英チャンネル)
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編集協力/中西后沙遠(なかにしみさお) 撮影/森武志
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