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プロが解説! 2024年から始まる新制度は今までと何が違う? 新NISA完全ガイド

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写真提供/PIXTA

NISAは、個人の資産運用をサポートするための制度で、一定の投資額以内で得られた利益を非課税で受け取れるので、効率的に資産を増やせることがメリットです。
一般的に、投資で得た利益には約20%の税金がかかります。例えば、10万円の利益が出たら2万円ほどの税金がかかり、実際に受け取れるのは8万円ほど。しかし、NISAで投資を行った場合は税金がかからず、利益を満額受け取ることができるのです。

現在のNISA(18歳以上対象)は「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類がありますが、これが2024年から一本化され、「新NISA」として生まれ変わります。
新NISAでも、税金面でのお得なメリットは変わりません。では一体、何がどう変わるのでしょう。新NISAの変更点を分かりやすくお伝えします。

新NISAで変わる3つのポイント

01「一般NISA」と「つみたてNISA」、どちらか1つを選ばなくてOK

現在のNISAには、株や投資信託などさまざまな金融商品に投資できる「一般NISA」と、積立投資のみができる「つみたてNISA」の2種類があり、口座開設時にどちらか1つを選ばなくてはなりませんでした。
しかし、新NISAでは「成長投資枠」(現在の「一般NISA」に該当)と「つみたて投資枠」(現在の「つみたてNISA」に該当)という2つの枠が設けられ、両方使っても、どちらか一つだけを使ってもOKなので、迷うことなく始められて自由度もアップします。

02期限つきから無期限へ

これまでのNISAは投資できる期限が決まっており(一般NISAは5年、つみたてNISAは20年)、特に一般NISAは「期限が過ぎたらどうするか」を考える必要があり、長期でじっくり運用することができませんでした。
それが、新NISAでは“無期限”になります。つまり、期限を気にせず長期間にわたって運用できるので、利益をコツコツ積み上げることが可能になるのです。

03投資できる金額がアップ

現在のNISAでは、1年間の最大投資額が、一般NISAなら120万円、つみたてNISAなら40万円です。それが、新NISAでは、成長投資枠が240万円、つみたて投資枠が120万円、合計で最大360万円の投資が可能になります。
とはいえ、多額の投資費用が必要になるわけではありません。現在のNISAと同じく、金融機関によっては月額100円や1,000円ほどの少額からでも積み立てができます。

投資を始める際に気をつけるポイントは?

投資は元本が保証されるものではないので、一時的に元本割れの状態になることもあります。そのため、必ず余裕資金で、少額から試していきましょう。また、まずは「つみたて投資枠」で始めることをおすすめします。コストが安く、長期投資に適したラインナップがそろっているので、選びやすいと思います。
そして、積み立てを始めたら、5年、10年と長く続けていきましょう。ときには値段が下がる場面もあると思いますが、その時点でやめてしまうと損が確定してしまいます。下がった時期こそ安く買えるチャンスだと捉え、積み立てを続けていくことで、将来的な資産の増加につながるでしょう。

新NISAの口座開設手続きは基本的に2023年10月から

新NISAの口座開設手続きは、基本的には2023年10月から始まる予定です(2023年8月末現在)。口座開設には銀行や証券会社などの選択肢がありますが、一般的には証券会社の方が扱っている金融商品が多い傾向にあります。
また、店舗型の証券会社もありますが、ネット証券なら自宅にいながら口座開設ができ、スマホやタブレット、パソコンで、いつでも、どこでも投資ができます。今のうちに、さまざまな金融機関のサイトを見て、ご自分の好みに合うものを探してみましょう。

まとめ

新NISAは、投資経験者の方にも、投資初心者の方にも、金額や自由度がアップして使いやすい、良い制度だと思います。これを機に、少額から積み立てを始めてみてはいかがでしょうか。

プロフィール

西山 美紀ファイナンシャルプランナー・コラムニスト

単に貯蓄額を増やすのではなく、日々にうるおいをもたらせてくれるようなお金の使い方・貯め方について発信中。小田急電鉄主催のオンラインコミュニティ『ママカレ』西山美紀ゼミ「初心者でも安心! 幸せが増えるお金の貯め方・使い方・子育てTIPS」担当。著書に『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)のほか、『はじめての積立投資・つみたてNISA・iDeCoもよくわかる! お金の増やし方』(主婦の友社)が発売中。

https://www.nishiyamamiki.jp/

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