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ベストタイミングはいつ? 上手な値段交渉のコツは? 年末年始に家電をお得に買う方法

暮らし

年の瀬が迫り、お得なセールが始まる季節です。多くの人がボーナスの支給やクリスマスで購買意欲が高まるこの時期、家電量販店では歳末セールや初売りに向けて販売員が準備に追われています。では実際、家電は年末年始のうちどのタイミングで、どんなものが安くなるのでしょう? 家電量販店の元販売員で、IT家電ライターのたろっささんが、年末年始に家電をお得に買う方法を伝授します。


本当の特価は一部のみ!? 家電量販店の年末年始事情

01すべての製品が安くなるわけではない

年末年始の家電量販店といえば、どれもこれもが安くなっているイメージですが、本当にそうなのでしょうか? 実は、年末年始に安くなる主な製品は以下の3点です。

  • チラシに掲載される台数限定の目玉商品
  • 一部福袋
  • 日替わりの提供品

この3点は、どの家電量販店でも安くなる傾向があります。特に、台数限定の目玉商品は赤字販売が多く、それ以上値引きができない代わりに、インターネットの最安値相当か、それ以下の金額で並ぶことが多いです。
ただし、これらの製品は朝早くから店頭に並び、整理券を入手して初めて購入できるものがほとんど。無策で購入できることはまれです。逆に言えば、いくらチラシに掲載されていても、台数を限定していない家電の値引き率はさほど高くなく、3%程度の値引きにしかなっていないものも多くあります。


02セール時のさらなる価格交渉は難しい

特に初売りの場合、店舗や地域によっては通常の土日の10倍以上の売上を叩き出す店舗もあるくらい、この時期は集客効果が高く、店内は大勢の人でごった返しています。接客待ちが多数発生している状況では当然、販売員にも余裕がなく、ましてや価格交渉で揉めている場合ではありません。そのため、普段ならいろいろなデータと比較して価格交渉に応じる販売員でも、この時期は「価格交渉には応じかねます」とあっさり断る可能性が高いのです。初売りに限ったことではありませんが、しつこい価格交渉は、結果的に商品を安く手に入れるチャンスを失うことになりかねないので、とくにこの時期、価格交渉は行わないほうが無難でしょう。


時期を見極め、正しい価格交渉を

01来店時期を少しずらす

価格交渉が難しい年末年始ですが、実は、交渉可能な時期もあります。
家電量販店が一年のうちもっとも売上を上げるのは、2~3月の新生活シーズンと、12月20日以降~1月の第1週目くらいまで。この2大オンシーズンは、店内の在庫がなくなることもあります。そこで、12月であれば前半、1月ならば2週目以降を狙うのが理想です。特に、12月前半はクリスマス商戦の準備で商品の在庫も多く、即日持ち帰りができて、価格交渉もしやすくなります。また、1月の2週目以降であれば、初売りの売れ残り品などが狙い目。売り場もそこまで混み合わないため、販売員も1組あたりの接客に時間をかける余裕があります。


02初売り後は初売りのチラシを持参する

初売りのチラシを持参し、目玉商品について尋ねるのが効果的です。台数限定の目玉商品はほとんどが初売りで完売するため、商品の在庫がないか、通常の価格に戻って売り場に置いてあるかのどちらか。しかし、「この目玉商品が欲しかったけど、ないのであれば、代わりになるような商品はありますか?」などと質問をすると、「同じ値段にはなりませんが、似たような商品がこちらで…」と提案する販売員が大多数です。
なかには、少し付加機能が多い上位機種を勧めてくる販売員もいるでしょう。そんなときは、「(目当てだった)目玉商品くらいの価格感で買いに来たので、もう少しなんとか…」というようなアプローチをすれば、結果的に値引きにつながることもあります。


03他店の見積もりを見せると効果的

ヤマダ電機やケーズデンキ、ノジマやジョーシン、エディオンなど郊外型の家電量販店は、同じ商圏に同業他社があるケースがほとんどです。その他店での見積もりを持って行き、価格交渉を行うのがもっとも効果的です。名刺の裏に型番と価格を書いてもらう、見積書に型番と価格、条件を入れてもらうなどが、特に有効。その場合、自分で金額訂正をしたり、虚偽の内容を記載すると、私文書偽造罪に問われる可能性があるため、絶対にやめましょう。販売員は、よほど桁違いの金額でない限り、頑張ってその金額よりも安くなるよう、価格の調整を行ってくれます。その見積書を持って、また他店へと足を運べば、価格交渉に自信のない方でも比較的安い価格で購入できる可能性があります。



まとめ

年末年始の家電量販店は、通常では考えられないほどお得に家電を購入することができるチャンスです。しかしそれは、販売員に正しい交渉を行い、しっかりと最安価格を引き出すための方法を知ってこそ。また言わずもがな、小売店と顧客は対等な立場であり、どちらかが尊大な態度を取ったりすれば、上手くいくものもいかなくなります。自分の希望を主張するばかりでなく、販売員の話もしっかり聞けば、おのずと値引きやサービスにつながり、お得に買い物をすることができるはずです。


監修

たろっさ

IT家電ライター。家電情報ブログ「家電損をしない買い方をプロの販売員が教えます」を運営する元家電販売員。学生時代から家電に並々ならぬ興味を持ち、アルバイトを経てそのまま家電量販店の道へと進んで15年弱。個人で年間2億円を売り上げ、数々の法人内コンテストで表彰された経験も。家電アドバイザーの資格を有し、家電と名のつくもの全てに精通。現在はフリーのIT家電ライターとして「すべての人が平等に良い家電に巡り会える機会の提供」に尽力している。

https://taromomo.com

写真提供/PIXTA
文/たろっさ

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