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令和3年分もまだ間に合う! 初めてでも失敗しない「ふるさと納税」

暮らし

ここ数年で、利用する人がどんどん増えている「ふるさと納税」。令和2年の控除適用者数(ふるさと納税を行って、税金の控除を受けた人数)は、前年から100万人以上増え、552万人となったそうです。(令和3年度実施 総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果」より)
「節税のために今年こそトライしてみたい」という方も、「始めてみたけれど、実はよくわからない」という方も、ここでポイントについてしっかり確認しておきましょう。


ふるさと納税に係る住民税控除及び控除適用者数の推移(全国計)

出典:総務省/ふるさと納税に関する現況調査結果(令和3年度実施)

初めてでも安心!「ふるさと納税」基礎知識

「ふるさと納税」とは、自分が選んだ自治体に寄付をすると、自己負担額2000円を除いた金額分の税金の還付・控除が受けられる仕組みです(上限額あり)。お米や肉、フルーツといった、その地域の特産品がお礼の品(以下、返礼品)としてもらえるので、楽しみが増え、家計も少し助かるといったメリットがあります。

ふるさと納税をお得に利用できる年間上限額の目安は、収入や家族構成によって変わります。年収400万円の人で、独身または共働きなら4万2000円、高校生が一人いる共働きなら3万3000円といった具合です。上限額の目安は、総務省のふるさと納税ポータルサイトなどで確認しましょう。

総務省|ふるさと納税ポータルサイト


ふるさと納税の押さえておきたい4つのポイント

  1. 確定申告を忘れない
  2. 名義が異なると、税金の控除や還付にならない
  3. 珍しい返礼品や災害支援なども選べる
  4. 返礼品の内容や届く時期に注意

では、実際にふるさと納税をする際には、どんな注意点があるのでしょうか。押さえておきたいポイントを4つお伝えします。


01確定申告を忘れない

ふるさと納税をした場合、基本的には「確定申告」が必要です。これを行わないと、税金から還付・控除がされなくなってしまいます。

ちなみに、令和3年分から、確定申告が少し簡単になりました。以前は、各自治体から送られる「寄付金受領証明書」をすべて保管しておき、申告の際に添付する必要がありましたが、令和3年分からは、国税庁が指定したポータルサイトの利用なら、手続きがスムーズに。そのサイトから、年間寄付額が記載された「寄付金控除に関する証明書」をダウンロードでき、それを添付するだけでOKになりました。

また、会社員の方なら、条件を満たせば確定申告を行わない方法も選べます。「ワンストップ特例制度」といって、ふるさと納税をするたびに、自治体宛てに書類を送り返せばOKという仕組みです。ただし、確定申告を行わない人で(医療費控除など、確定申告を行う人はNG)、寄付先の自治体が5つまで、という条件があるので要注意です。

いずれも、寄付をして返礼品を受け取った後に、もうひと手間の確定申告や手続きが必要なので、忘れないようにしましょう。


02名義が異なると、税金の控除や還付にならない

ふるさと納税は、本人の所得税や住民税から、控除や還付を受けられる仕組みです。そのため、夫の扶養に入っている専業主婦の妻がふるさと納税を行った場合、夫の支払っている所得税や住民税から、控除や還付は受けられません。一人ひとりに紐づいている仕組みなので、ポータルサイトを利用する際にも、控除や還付を受ける本人が、本人名義のものを必ず利用しましょう。


03珍しい返礼品や災害支援なども選べる

最近は、個性的な返礼品も増えています。例えば「代行サービス」。その地域に住む方々が、ふるさと納税者に代わってサービスを行うもので、「お墓参り」「空き家見回り」「親孝行代行サービス」などが挙げられます。その様子を写真つきで送ってもらえるケースもあり、遠く離れてなかなか帰れない地元などに思いを馳せながら申し込むのもよさそうです。

また、返礼品を伴わない、災害支援ができるケースもあります。地震や豪雨、台風などで被害を受けた自治体に対して寄付をすることで、スピーディーにお金を届けることができます。


04返礼品の内容や届く時期に注意

令和3年もあと少し。「今年の分のふるさと納税を行おう」と、急いでまとめて寄付した場合、同じ時期に返礼品がまとめて届くケースがあります。そのため、「冷蔵庫や冷凍庫に入りきらなかった」という声もよく聞きます。せっかくの品物を大切にいただくために、到着時期を選べる場合は時期をずらしながら申し込み、まとめて届いた場合はご近所さんにおすそ分けするのもよいでしょう。

また「定期便」といって、まとめて送付ではなく、3カ月毎や6カ月毎など、何回かに分けて送ってくれるタイプもあります。

代表的な「ふるさと納税」ポータルサイト

ふるさとチョイス

返礼品掲載数は最大規模を誇り、サイトも見やすい。各自治体から感謝のメッセージと、その町の魅力を伝えるイベントが定期的に開催されている(オンライン生配信の場合も)。

さとふる

体験型や代行サービスなど、ユニークな返礼品も多い。届くのが比較的早く、初心者にもわかりやすいサイト。

楽天ふるさと納税

楽天市場と同じデザインの画面で、ネットショッピングと同じような感覚で利用できる。楽天市場利用者なら、住所などを新たに入力する手間も省ける。

ふるなび

家電の返礼品が多いのが特徴的。寄付金額50万円以上の人限定で、ふるさと納税手続きを代行するサービス「ふるなびプレミアム」もある。

まとめ

新型コロナウイルスの影響もあり、なかなか気軽に旅行に行きにくい時期が続いています。生まれ故郷や思い出がある地域を寄付という形で応援したり、いつか訪れたい土地の特産品をリサーチしてみたりと、「ふるさと納税」は新たな楽しみを得られるでしょう。トライしてみると「思ったよりも簡単だった」という声も多数。ぜひ試してみてください。

画像提供/PIXTA

プロフィール

西山 美紀ファイナンシャルプランナー・コラムニスト

単に貯蓄額を増やすのではなく、日々にうるおいをもたらせてくれるようなお金の使い方・貯め方について発信中。小田急電鉄主催のオンラインコミュニティ『ママカレ』西山美紀ゼミ「初心者でも安心! 幸せが増えるお金の貯め方・使い方・子育てTIPS」担当。著書に『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)のほか、『はじめての積立投資・つみたてNISA・iDeCoもよくわかる! お金の増やし方』(主婦の友社)が発売中。

ライター・ファイナンシャルプランナー/西山美紀 - nishiyamamiki

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