「フリマアプリ」や「ネットフリマ」という単語を耳にしたことがある方も増えてきているでしょう。従来のフリマ(=フリーマーケット)というと、公園で広げたシートの上に、自分が売りたい物を並べて売るというイメージですが、それが今や家にいながらにして、スマートフォン一つでできる時代になりました。
売ることもできれば、買うこともできる、個人売買のアプリなので、開業届けを出す必要もなく、今からすぐにでも始めることができます。
今、中高年に人気のフリマアプリ
ここ数年のメディアでは、断捨離やミニマリスト、終活など持ち物を少なくすること、または持ち物が少ない人の暮らしぶりに焦点が当てられることが増えました。
所有している物が少なく家がスッキリしていると、家事が驚くほどにラクになります。反対に、物を多く持っていると、自分の持ち物を把握しきれず、また同じようなものを買ってしまい、無駄遣いにつながります。
節約にも家事の時短にもなるのが、“持ち物を少なくする”ということなのです。
さらに、「整理した持ち物をそのまま捨ててしまってはもったいない! せっかくだからフリマアプリで売ってお小遣いにしよう」という流れで、今、フリマアプリが人気です。火付け役は若者ですが、若者よりも所有している物が多い中高年層にこそおすすめです。家の中には売れるものが山ほどあり、中には高額で売れるお宝が眠っているかもしれません。
フリマアプリに出品して売るためには
スマートフォンで写真を撮り、商品説明を入力し、値段を決めれば出品ができるフリマアプリですが、コツをつかむまでは出品はできても、なかなか売れないということがあるかもしれません。逆に言えばコツさえつかめば、家で眠っていた物が次々と売れてお小遣いになります。そこで、フリマアプリで上手に売るポイントをいくつかご紹介します。
思わぬものが売れる! 売る物を探すポイント
まず、どのような物が売れやすいのか見てみましょう。
未使用のもの
買ったけれど結局着ていない服、引き出物でもらった食器、安いからと買ったけど使い道がなかったポーチなど、「未使用」または「未使用に近い」ものは売りやすい物となります。
誰もが入手できるわけではない希少価値があるもの
高級ホテルの紙袋やお菓子の缶、国内に店舗数が少ない店のエコバッグやロゴ入りグッズ、アーティストやアイドルが個数限定で発売したグッズ、地域限定品、昭和レトロな雑貨など。今、簡単には入手できないものも売れやすくなっています。
多くの人が使っているもの
希少価値があるものとは逆に、多くの人が使うものも売れやすくなっています。使いかけのアイシャドウや数年履いたスニーカーでも、欲しい人が多い商品は「お試しで中古でもいい」という人も多くいるため、出品してすぐに売れるものもあります。後述しますが、この場合は特に価格設定と商品状態で売れ行きが変わってきます。
売れ行きは写真と商品説明で決まる
出品したい物が決まれば次は写真です。数多くの商品が小さな画面の中に並ぶので、目を引くかは写真が大きく影響します。明るい写真で、全体像と細部が分かるように数枚撮ったほうがよいでしょう。また傷があるものなどは商品説明にしっかり書き、その部分をアップで撮った写真も掲載するようにします。

購入者が商品を探すとき、キーワードを入力し検索するので、そのキーワードが入っていないと検索結果に出てきません。そのため自分が出品しようとしている商品を探す人はどんなキーワードで探すかを想定して、そのキーワードを商品説明の中に入れるようにしましょう。
第2キーワード(2つのキーワードの組み合わせ)まで考えて入れておくと検索結果に入りやすくなります。商品を探すときの検索欄に一つ目のキーワードを入力すると、そのキーワードとセットで検索されている第2キーワードの候補が表示されるので、参考にするとよいでしょう。
設定金額は他の出品者を参考に。値下げ交渉も考慮に入れて
設定金額は同様の商品の他の出品者の金額を調べて参考にします。またフリマなので購入希望者が値下げ交渉のコメントをしてくる場合があります。値下げ交渉を受けるか受けないかは出品者次第ですが、値下げを受ける可能性がある場合はその分も考慮して出品金額を決めるとよいでしょう。値下げ交渉を受けない場合は、その旨を商品説明やプロフィールにあらかじめ明記しておくと、やり取りの手間が省けます。
梱包は再利用品も可
はじめのうちはどのように梱包していいか分からないかもしれません。基本は送った品が途中でダメージを受けないようにすることです。折れてはいけないものならダンボールを挟んだり、割れてはいけないものならクッション材を入れたりします。フリマアプリ大手のメルカリでは、アプリ内で梱包資材を購入することもできますし、最近では100円ショップでもフリマ出品用のグッズが売られています。
また個人売買なので、梱包資材の再利用も珍しくありません。ただしトラブル回避のため、梱包は再利用品を使う旨を商品説明やプロフィールに明記しておくことをおすすめします。

そのほかに気を付けたいこと
購入者が気になりそうなこと、「喫煙者はいるか」「ペットはいるか」「香水は使っているか」などの保管環境は、プロフィール欄や商品説明に明記しておくとトラブル回避につながります。
出品中の商品にコメントがついたらできる限り早めに、そして丁寧な言葉で対応しましょう。コメントを入れた人以外も見ているということを忘れずに。
また商品が売れたら、お礼と発送予定のメッセージ、発送したらメッセージなど、まめにメッセージを入れると購入者は安心できます。
おすすめフリマアプリ
メルカリ
最大手のフリマアプリなので利用者が多くいます。買い手が多くいますが、その分、出品数も多いので、埋もれてしまわないように商品説明や写真には力をいれましょう。手数料は商品が売れたら代金の10%が徴収されます。
ラクマ
楽天市場が運営しているフリマアプリなので、楽天ポイントが使えるという利点があります。手数料は商品が売れたら6%徴収されます。
PayPayフリマ
出品する際に画像だけでなく動画も使えるのが特徴です。手数料は商品が売れたら5%徴収されます。
まとめ
はじめてのフリマアプリへの出品には不安があるかもしれません。その場合、はじめは購入者側になり自分がいくつか買ってみて、取引のやりとりや、梱包の仕方などの様子を見てみるとよいかもしれません。
家にある不要なものをお小遣いに替えるという手段としては、決して難しいものではないので、是非一度お試しください。
画像提供/PIXTA
プロフィール

矢野きくの
家事アドバイザー、節約アドバイザー。家事の効率化、家庭の省エネを中心に、テレビや雑誌、講演会などで活動。生活用品や便利グッズの企画にも携わる。『50代からの自宅の片付け 実家の片付け』(扶桑社)など著書多数。
https://yanokikuno.jp
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