フランス料理を食べるときに気になるナイフとフォークのマナー。
普段の食卓で箸を使い慣れている日本人にとって、ナイフ・フォークを上手に使うにはちょっとしたコツがいりますが、一度覚えてしまえば意外と簡単です。
フランス料理のマナーは、「お客様が料理をおいしく食べられる」「お店のスタッフがスマートに給仕できる」などの目的で決められたもの。もし食べ方が分からなければ、お店の人に聞いても失礼にはあたりません。おいしい料理をさらにおいしく味わうための作法を学んで、フランス料理を楽しみましょう。
フランス料理 基本のテーブルセット
フランス料理は、用途別に使う食器が決められています。これは、料理をおいしく食べるための大事な決まり。基本的には左右の外側から、スープスプーン以外はナイフ(フィッシュスプーン)とフォークをセットで順番に使います。もし落としてしまったら、自分で拾わずスタッフに声をかけましょう。

美しい食べ方
ナイフとフォークを軽く握り、人差し指を柄の背に添えます。フォークを肉にしっかり刺し、ナイフを立てて刃先で引くように切ります。

ポイント
カッターで厚紙を切るときのイメージで、先端に力を入れる
- ギコギコとノコギリのように切らない
- 先に全てカットすると肉汁が流れ、おいしく食べられないのでNG
ソースがある場合は、カットした肉にからめて食べます。

ひと口大の目安は親指の第1関節のサイズ。付け合わせの野菜もひと口大に切り、フォークに刺して食べましょう。

ナイフ・フォークの置き方
食事の途中
ナイフとフォークの先端が皿の中にくるように、ハの字に置きます。フォークの先端は下向きです。

食事が終わったとき
ナイフとフォークをそろえ、斜めに置きます。フォークの先端は上向きです。

ポイント
- ナイフの刃を外側に向けない
- 滑って落ちやすいので、皿の縁にひっかけない
スープの食べ方
スープに具材が入っていたら、スープと具材を一緒にスプーンにのせます。クリームなどがかかっている場合は軽く混ぜて、味を均一にしてから食べましょう。

スプーンとキスするように口に運び、皿の上でスプーンから流し込むように食べます。

大きいスープ皿の場合、食べ終わった後のスプーンはお皿の中に置きましょう。小さいスープカップならカップの向こう側に。

途中で満腹になってしまったら
料理を残すのは「おいしくなかった」というメッセージになってしまうので、基本的には残さないように。どうしても食べきれないときには、満腹であることを伝えて下げてもらいます。途中で食べきれないと感じたら、次の料理から量を減らしてもらうよう頼みましょう。また注文の段階で、苦手な食材をあらかじめ伝えておくと変更に応じてくれる場合もあります。
撮影協力:モナリザ恵比寿本店
Adviser

井垣 利英(いがきとしえ) (株)シェリロゼ代表取締役 、 人材教育家、 マナー美人塾塾長
名古屋生まれ、東京在住。中央大学法学部在学中からフリーアナウンサー としてテレビ出演。
2002年(株)シェリロゼを起業。20年間で2万人を指導。自社の【会話美人講座】【マナー美人塾】でマナー、プラス思考、話し方などを指導。また全国の企業で、社員研修や講演会を年間100本ほど行う。
やる気とマナーを上げる日本で唯一の専門家。
著書は『ふんわりと上昇気流に乗る生き方』(サンマーク出版)、13万部を突破した『しぐさのマナーとコツ』(学研)など19冊。
シェリロゼ
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YouTube
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