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暮らしを楽しむ にほんの食ごよみ(第16回「精進揚げ」)

食べる

野菜の揚げ物でご先祖さまをお迎え

ご先祖さまの霊を家にお迎えして、家族みんなで「おかえりなさい」という気持ちを込めて供養するお盆。仏壇には故人の好物や果物のほか、きゅうりやなすに割り箸で脚をつけた馬や牛をお供えする地域もあります。お盆の時期、食卓に並ぶ食べ物も、地方によって様々な習わしがありますが、精進揚げを作るところは多いようです。

精進揚げとは、野菜だけを揚げた揚げ物のこと。仏教の「五戒」にある、殺生をしないという教えに基づき、肉や魚介類のほか、天ぷらでは衣に使う卵も使わずに(無精卵は殺生に当たらないという考えから、卵を使う場合もあります)、ご先祖さまを供養するという意味があります。おすすめは、なすやししとう、みょうが、大葉、かぼちゃなどの夏野菜。遠くから戻ってくるご先祖さまをお迎えし、もてなすためのごちそうなので、さつまいもなどの初ものばかりを揚げることもあるようです。

サクサク食感の揚げ物を好みの味付けでいただく

01薄力粉に加える水には酢を足し、冷蔵庫で冷やしておく

揚げ物は、食感を左右する衣が命。カラッと揚げるには、薄力粉の粘りを出し過ぎないことがポイントです。薄力粉に加える水を事前に冷蔵庫で冷やしておき、さらに、酢を少しだけ足しておくのがおすすめ。酢には、粘り成分であるグルテンの生成を抑える働きがあるからです。また、混ぜるときにこねないことも大切。こねるとグルテンが発生し、衣がベタベタになってしまいます。多少のダマや粉っぽさがあっても気にせず、手早く作ることを優先しましょう。あらかじめ、野菜に小麦粉などで薄衣をまとわせてから衣にひたすと、衣がしっかりと付いてくれます。

02塩でさっぱり、麺と合わせればボリュームもアップ

カラッと揚がった精進揚げに添えるのは、天つゆでも良いのですが、塩もおすすめ。なかでも抹茶と塩を同じ分量で混ぜた抹茶塩は、揚げ物をさっぱりといただくのに最適です。そうめんや冷や麦、蕎麦などの麺類と合わせると、ボリュームが出てお腹も満たされます。

ご先祖さまに思いを馳せるお盆。彩りのきれいな夏野菜を揚げた精進揚げを通して、ご先祖さまに日頃の感謝を伝えてみてはいかがでしょうか。

監修

橋本 加名子さん料理研究家、栄養士、フードコーディネーター

海外留学、商社勤務時代からアジア料理や江戸懐石料理を学び、独立。料理教室「おいしいスプーン」主宰。『フライパンひとつで!失敗しない中華・アジア』(タツミムック)など著書多数。

取材・文/佐藤望美 写真提供/PIXTA

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