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寒い寝室は健康リスクが増加する!? 朝までぐっすり、真冬の快眠術

健康・美容

「体が冷えて寝付きが悪い」「朝、寒くて起きられない」——この時季、睡眠に関する悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。また、寒すぎる寝室は浴室に次いで“ヒートショック”のリスクが高く、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こすこともあります。
冬でもぐっすり眠ってすっきり目覚めるための快眠アイディアを、快眠セラピストの三橋美穂さんに教えていただきました。

当てはまるものはありますか?
あなたの冬の睡眠をチェック!

  • 寝室が寒くても暖房をつけず、衣類や布団で暖かくしている
  • 掛け布団は、「毛布→羽毛布団」の順にかけている
  • お風呂で温まった後すぐ布団に入る
  • 電気毛布や電気あんかをつけたまま寝ている
  • 掛け布団を3枚以上かけている

寝室が寒くても暖房をつけず、衣類や布団で暖かくしている → ×

断熱効果の高いマンションの場合は、布団をかぶれば寒さは我慢できる程度なので、寝室は暖房いらず…と考える方もいるかもしれませんが、室温が低すぎると、暖かい寝床から出たときに血圧が急激に上がり、心筋梗塞や脳梗塞の原因となる“ヒートショック”を起こす可能性があります。
“ヒートショック”は、寝床や浴室といった暖かい場所から、廊下やトイレなどの寒い場所へ移動する際に起きることが多いのですが、廊下やトイレまで暖かく保つのはなかなか難しいものです。そこでおすすめなのが、内窓の設置です。費用はかかりますが、窓際からスーッと入ってくる冷気を遮断して住まい全体の室温の低下を防ぐことができるので、エコなうえに、長い目で見ると暖房費の節約にもなります。
最近は、ポリカーボネート樹脂のボードを使ってDIYで内窓を設置する方も増えているようです。

さらに、室温が低いところで長時間過ごしていると、循環器や呼吸器の疾患が起こるおそれもあるため、WHOでも冬期の室温は18℃以上に保つことを強く勧告しています。イギリスでも寒い家と健康リスクの関係を調査しており、室温を18℃以上に保つよう法令で指針が示されています。

参考:イギリス保健省「イングランド防寒計画(Cold Weather Plan for England)」(2015年改定)

また、産業医科大学による研究では、寝室の暖房をつけて寝る家庭は、子どもが風邪やインフルエンザの発症リスクが45〜77%も減少することがわかっています。



掛け布団は、「毛布→掛け布団」の順にかけている → 掛け布団の種類による

羽毛布団の場合は「羽毛布団→毛布」の順でかけます。軽い羽毛布団を上にすると、布団が体に密着せず、肩口から冷気が入ってしまいます。そのため、毛布を上にして布団を体に密着させることで、冷気が入るのを防ぎます。 綿やポリエステルの布団の場合は「毛布→掛け布団」の順に。綿布団は熱伝導率が低いため、暖かい素材の毛布が直接体に触れるようにするのがおすすめです。



お風呂で温まった後すぐ布団に入る → ×

湯冷めしないよう、お風呂から上がってすぐ布団に入るものの寝付きが悪い…という場合は、体温を意識した入浴時間を心がけてみましょう。
人の体温は就寝1〜2時間前になると下がり始め、それにより眠気が訪れます。入浴して体温が上がると、その後体温が下がるのは30分〜3時間後。しかし、50代以降になると体温が下がりにくくなるので、入浴後、寝付きが悪いという方は、入浴時間を早めてみるとよいでしょう。
入浴後すぐ眠りたい場合は、体を温めすぎないよう、38〜40℃のお湯に5〜10分浸かる程度に。42℃以上の熱いお湯に浸かると神経が高ぶり、かえって眠くなりにくくなります。



電気毛布や電気あんかをつけたまま寝ている →

寝室の温度を18℃以上にしていても寒い、という寒がりの人は、電気毛布をつけて寝てもOK。本来は寝る前に温めておき、布団に入ったときに消すと良いのですが、それでも寒い、しばらくすると寒くて目が覚めてしまうという場合は、一番低い温度に設定し、つけたまま眠ってもOKです。



掛け布団を3枚以上かけている → ×

寒いからといって、掛け布団を何枚も重ねて寝るのはNG。寝具の重みで体が圧迫され、血行が悪くなるため、体がなかなか温まらず、寝付きが悪くなったり熟睡できなくなります。掛け布団の数は2枚が理想。冷たい空気は床にたまっているので、寒い場合は、暖かい素材のパッドを敷布団の上に重ねたり、敷布団の下にアルミシート敷くなど、敷布団で保温性を高めましょう。

画像提供/PIXTA



監修

三橋美穂さん快眠セラピスト、睡眠環境プランナー

寝具メーカーに入社後、商品開発や枕のアドバイザー育成、マーケティング、広報などを経験し、研究開発部長を経て2003年に独立。講演活動や執筆、メディア取材などを通して、睡眠の重要性や快眠のための工夫、寝具の選び方などを発信している。『眠トレ! ぐっすり眠ってすっきり目覚める66の新習慣』(三笠書房)、『驚くほど眠りの質がよくなる睡眠メソッド100』(かんき出版、文庫版:三笠書房)など著書多数。
https://sleepeace.com/

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