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子育てをラクに楽しく! お片づけのプロ水谷妙子さんに学ぶ整理収納術〈新入学編〉

子育て

第1回のテーマは、『新入学・進級はお片づけを見直すチャンス!子どもが進んでできる仕組みを作ろう』です。
子どもを持つ家庭にとって、春は新入学や進級というイベントが控える大切な時期。特に新1年生は幼稚園や保育園とは違う生活リズムになり、持ち物や学校の準備も大きく変化します。子どもが自分で学校の準備や学用品の管理ができるようになるには? 忘れ物を減らすには? 無理なく毎日続けるために必要なのは、仕組み作り。小学校2年生の娘さんを持つ整理収納アドバイザーの水谷妙子さんに、学用品スペースの作り方のコツを教えていただきました。

目次

  • 4月の段階で100%を目指さなくてOK!様子を見ながら少しずつ整えて
  • 「行ってきます」から「ただいま」を想定して収納場所を決める
  • 教科書やプリントはざっくり分類からスタート
  • 「親任せ」から抜け出すには、失敗を経験させることも大事

4月の段階で100%を目指さなくてOK!様子を見ながら少しずつ整えて

小学校入学のタイミングで、ランドセル棚や学習システム家具を購入しようと考えている人は多いはず。さまざまなタイプが販売されていますが、「専用の家具を慌てて買いそろえる必要はありません」と水谷さんは言います。ご自宅では、無印良品のパイン材ユニットシェルフを学用品棚として使っています。

「1年生は教科書の冊数がまだそれほど多くなく、全教科すべて授業があるわけではないんです。それよりもプリント学習が大半!だから教科ごとに棚が分かれているような家具は、なくても大丈夫。それよりも仕切りがないオープン型の棚のほうが、入れるものに合わせて自由に仕切れるので便利ですよ。このユニットシェルフは幅や段のバリエーションが豊富で、高学年になって持ち物が増えたらパーツを買い足して段を増やしたり、シェルフを何台も連結させることができます」

教科書を毎日持ち帰るのか、プリントがどれだけ活用されるのか……。学用品の大きさや種類なども、学校によりまちまち。これらは実際に通い始めないと見えてこない部分です。入学前に家具を一式そろえておくよりも、ゆるい仕組みでスタートし、様子を見ながら微調整していくほうが、より使いやすい収納スペースが作れるのだそう。

「行ってきます」から「ただいま」を想定して収納場所を決める

学用品棚を置いているのは、リビングの隣にある個室。入学してすぐは親と一緒に時間割を確認し、持ち物の準備をすることになるので、親の目が届きやすい場所が便利です。

「わが家は扉を開けっぱなしにして、リビング続きで使っています。特にリビング学習を検討しているなら、リビングから近い場所にするほど取りかかりや片づけもスムーズです」

学用品棚の側面にはフックをつけ、ランドセルと一緒にアウターやマスク、帽子などもひっかけています。

「水筒を持参しているので、水筒カバーも毎日ここに。月曜日には上履きと体操服も持っていきますが、洗濯や靴洗いが終わったらすぐにひっかけておきます。小学生は持ち物が意外と多くて大変。すべて同じ場所にまとめておけば支度がいっぺんに整うし、あえてランドセルの上にかぶさるようにひっかけているから取り忘れもありません」

主に使っているのは、無印良品のステンレス横ブレしにくいダブルフック。上下に2カ所フックがあり、たくさんひっかけられるだけでなく子どもでもラクに荷物が取れます。

アウターは玄関に収納するものと思いがちですが、小学生はランドセルの近くのほうが便利。「帰宅後リビングでランドセルを下ろして上着を脱ぎ、玄関まで戻って上着をしまう。ランドセルを玄関で下ろして上着を脱ぎ、しまってからランドセルをリビングまで持ってくる。クタクタに疲れて帰ってくる小学1年生にとっては、どちらもハードルの高い作業です」。これは水谷さんも、床に放置される上着を見て初めて気づいたこと。

「それ以来、学用品棚に上着をかけることにしました。出しっぱなしであることを注意するのではなく、行動パターンに合わせて収納の仕組みを作ることが大事なんです」

毎日完璧に片づけなくてもいいよう、逃げ場を作っておくことも必要。上着をハンガーにかける元気がないときは、普段フリースペースにしてある学用品棚の2段目にポイっと置くだけでOKにしているそう。「大人だって疲れて動けない日があるし、それは子どもも同じです」

ちなみにこのフリースペースは、長期休み中に学校から持ち帰るお道具箱や絵の具セット、鍵盤ハーモニカなど大きな荷物を置くために空けてある場所。夏休みなど学童保育に通う期間が長くなるときはランドセルもフックから棚に移動させ、代わりに学童用のリュックをランドセル用のフックにひっかけています。

忘れがちなハンカチとティッシュの準備は、身支度の流れに組み込むのがおすすめ。「登校前に必ずする動作と近い場所に、ハンカチとティッシュを収納してみてください。以前は娘もよく忘れていましたが、毎日必ずはく靴下と同じ棚に入れたらスムーズに準備できるようになりました」

ランドセルの横でもいいし、玄関の自分の靴コーナーでもOK。「これと一緒なら忘れない」という場所を親子で話し合ってみては? 移動ポケットやポケットティッシュを一緒に買いに行くのも効果的。「自分で選んだものなら準備が楽しくなるし、収納や身支度を自分のこととして捉えやすくなるはずです」

教科書やプリントはざっくり分類からスタート

学習用棚では、子どもの目の高さで出し入れしやすいゴールデンゾーンに教科書やプリント類を収納。ファイルボックスを仕切り代わりに活用。水谷さんは、前面に立ち上がりがあるタイプのファイルボックスを横向きに寝かせて使っています。「ファイルボックスの側面が仕切りの役割を果たしてくれます。ブックエンドはズレやすいですが、ファイルボックスなら箱型でどっしりしているので安定感抜群。ストレスなく出し入れできるんです」

小学生はさまざまな学習プリントを毎日たくさん持ち帰ります。「1年生は教科数が少なく、学校生活に慣れることが第一。あれこれ細かく分類して整理させると続きません。まずはざっくり分類から始めてみてください」と水谷さんは言います。

「教科書、プリント。まずはこの2つの仕分けでOKです。ランドセルからプリントを出して棚に入れるとき、疲れた頭で国語のプリント、算数のプリントと考えて分類するのは難しいもの。分類に迷うものが出てきたら、整理することが嫌になってしまうかもしれません。持ち帰ったプリントを毎日棚に入れることができるだけでも、すごいこと。それに慣れてきたら分類を増やしてレベルアップしてみてください」

現在2年生の娘さんのプリント分類は、終了して丸つけ済みの学習プリントを「花まるプリント」、その他のプリントを「いろいろプリント」として2分類に。進級後は授業の様子を見ながらまた分類を考えていくそうです。

たまったプリントは学期が終わるごとに整理。とっておくものと処分するものに分ける作業は親子でやっています。

「親任せ」から抜け出すには、失敗を経験させることも大事

入学からしばらくは、時間割の確認も持ち物の準備も親と一緒に進めていくことになります。学校生活に慣れてきたら、少しずつ手放して子どもだけで準備できるようになってもらいたいもの。

水谷さんも、現在はほぼすべての準備を娘さんに任せています。「それでも時々、“三角定規を明日持っていかないといけない”“ノートを使い終わった”と夜遅くに言い出すことがあります。親が無理すれば準備できるような状況でも、わが家ではあえて助け舟を出しません。失敗や気まずい思いを経験することも大事。次はどうする?と今後につなげていきたいと思っているからです」

ただし消しゴム、鉛筆、のり、色鉛筆など頻繁に使う学用品のストックは、慌てないようある程度準備してあります。

「ノートはマスや罫線の指定が急に変わることもあるため、買い置きはしていません。買うタイミングを逃さないよう、後ろから5ページ目にふせんを貼ってリマインドしています。ふせんのページまで来たら、ノートを準備しようと親に声かけしてもらう仕組みです」

リマインドのメッセージは娘さんが自分で考えて記入。自分でやるほうが記憶に残るし、自分ごとになるのでおすすめです。

学用品棚のプリントや教科書置き場に貼るラベルも、水谷家では娘さん自身がラベルの色を選んで書き込んでいます。

良かれと思って親が収納を整えても、子どものやり方に合わないと続きません。「子どもの性格、得意なこと、行動パターンなど様子をよく観察して、うまくできなかったら仕組みを変えてみる。できないからダメではなく、つまずいた理由を考えてみるといいと思います。何もかも親が勝手にやらず、一緒に考えて、子どもが自分でやることでお片づけや暮らしのスキルが身についてくるはずです」

水谷さん流のテクニックや考え方は、新入学だけでなくすでに就学していても役立つはず。皆さんもぜひ試してみてください。

教えてくれた人

水谷妙子さん

整理収納アドバイザー1級。夫と8歳の娘、5歳、3歳の息子の5人暮らし。無印良品で生活雑貨の商品企画・デザインを13年間務め、500点以上の商品に携わる。2018年独立。お片づけ講座開催、雑誌やWeb、テレビなどで活躍するほか、ホームページ「ものとかぞく」インスタグラム(@monotokazoku)にて片づけやものについての幅広い知識を紹介中。著書に『水谷妙子の片づく家 余計なことは何ひとつしていません。』(主婦と生活社)、『水谷妙子の取捨選択 できれば家事をしたくない私のモノ選び』(主婦の友社)がある。

撮影/木村和敬(blowup studio)取材・文/佐藤望美 編集/藤島麻衣子(LINUS) 

佐藤望美執筆者

ママファッション誌、ライフスタイルメディアを中心に執筆。得意分野は育児、トラベル、ライフスタイル、ファッション。インテリア、片づけ、ミニマリスト関連の書籍を数多く編集。トラベルエディターとして国内外の旅行取材も多く、子連れ旅情報をまとめたウェブサイト「FOOTABY!」を運営中。自身も3歳の女児、小学1年生の男児の子育てに奮闘中。

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