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くまもると学ぶ! 知っ得マンション生活 窓やベランダの安全対策

マンション生活

近年、マンションの窓やベランダから子どもが転落するニュースが後を絶ちません。子どもを転落から守るためには、子どもの日頃の行動に目を配るだけでなく、保護者が先回りしてリスクの回避に努める必要があります。転落事故の原因と対策について、話を聞きました。

教えてくれた人

佐藤 雄大日本ハウズイング株式会社
建物管理部
マンション企画グループ

転落事故防止のため周知を徹底

2025年6月、消費者安全調査委員会において、住宅の窓およびベランダからの子どもの転落事故に関する調査報告書が取りまとめられました。報告書では、子どもは窓やベランダから転落する危険性が高いにもかかわらず、ソフトとハードの両面において十分な住宅環境整備がされていないと事故原因について言及。事故防止のためには、転落防止対策を施した住宅の普及や転落防止製品の研究・開発、さらに転落に至るプロセスや転落事故の防止方法の周知啓発を行うよう示されています。

これを受けて、国土交通省住宅局(建築指導課長)から一般社団法人マンション管理業協会あてに注意喚起と周知依頼があり、協会経由で、会員である私たち不動産管理会社にも通達がありました。私たち日本ハウズイングでは、消費者庁や政府広報といった公的機関が発信する資料をもとに、理事会・総会での報告や、管理組合の意向に応じて議事録・お便りへの掲載、掲示物の作成などの広報活動を行っています。


QUESTION 01子どもの転落事故の実態は?

6歳未満の子どもの住宅の窓およびベランダからの転落死亡事故134件(1993~2024年)の発生状況を調査したところ、転落箇所別では窓が42件、ベランダが92件。窓からの転落は1歳の事故がもっとも多く、ベランダからの転落事故は3歳の事故がもっとも多く発生しています。

出典:消費者庁「消費者事故等調査報告書 住宅の窓及びベランダからの子どもの転落事故」(2025年6月24日、消費者安全調査委員会)

また、事故発生時における保護者の在宅状況は、134件中在宅が65件、不在(家族の送迎、ごみ出しなど短時間の外出を含む)が55件、残り14件は不明という結果が出ています。このことからも、事故は保護者の在宅・不在にかかわらず発生していることが分かります。


QUESTION 02子どもの転落事故はどうして起きるの?

ベランダからの転落事故では、子どもが手すりを乗り越えるケースが多く、手すりの周囲にエアコンの室外機や植木鉢といった足や手をかけられる物が置いてあったり、足をかけやすい構造になっていたりすると、子どもが手すりによじ登るリスクが高まります。また、自分で物を運べる年齢になると、ベランダから階下をのぞこうとして室内から椅子などを持ち出すケースも。子どもは身長に対して頭部が大きく重心が高いため、ほんの少し前のめりになっただけでも転落につながります。

一方、窓からの転落事故では、ベランダでの事故と同様によじ登ってしまう事例のほか、寄りかかった網戸が外れてそのまま転落してしまうケースが多いようです。特に風が心地よい季節は、窓を開けて網戸で過ごすご家庭も多いでしょう。しかし、網戸は体重をかけると外れる恐れがあるので、窓枠や出窓に座って遊んだり、窓や網戸に寄りかかったりさせないよう保護者の注意が必要です。


QUESTION 03保護者ができる対策にはどのようなことがある?

子どもから目を離さないことを大前提としたうえで、ソフト面(ルール・意識改革などの人的対策)とハード面(設備・物理的対策)の両輪での取り組みが望まれます。建物の構造や設備上の特性、居住者の生活様態や家族構成に応じて、適切な対策を講じることが重要です。またこれらの対策は、防犯性能の向上にも役立ちます。

ソフト面

  • 住戸内外における生活動線および家具配置等について、消費者庁作成のチェックリストに基づき点検する。

    「子どもの転落事故」防止のためのチェックリスト

  • 家庭内での開閉ルールや見守り体制を共有する。
  • 公的機関・業界団体が示す最新の注意喚起・資料を把握する。

ハード面

  • 室内は家具、ベランダはエアコン室外機の位置の見直し(足がかりとなるものを置かない)。
  • 踏み台になる物品の常時置きっぱなし、または、運搬できる位置に物品(植栽を含む)を保管することを避ける。
  • 二重ロックの導入やクレセント錠の開錠防止(チャイルドロック機能の活用など)。

こちらも大前提として、消防法では、火災の際の避難時にベランダを使うことが多いため、避難の妨げになるものを置いてはいけないと規定しています。そのため、足場になるような収納(物置)や家具、自転車などは、日頃からベランダに置いておかないようにしましょう。


QUESTION 04窓を施錠しておくだけでは安全対策として不十分?

子どもの年齢などにもよりますが、チャイルドロックのないクレセント錠は操作が簡単なため、小さな子どもでも自分で開閉してしまうことがあります。そのため、チャイルドロックが付いていないクレセント錠の場合はクレセント錠を交換するか、チャイルドロック機能付の後付けできる補助錠を設置することが推奨されます。
ただし、窓やサッシは管理規約により共用部分と定められている場合がほとんどです。クレセント錠を交換する場合は、事前に管理規約・使用細則を確認し、必要に応じて管理組合に相談しましょう。

写真提供/PIXTAほか

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