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我が家の習慣を見直して今日から実践! お金が貯まる生活術<特別編> 災害時のお金の備え

暮らし

(イラスト/山口絵美)

台風による水害をはじめ、自然災害のニュースを見聞きすることが多い昨今。南海トラフ地震や首都直下地震への注意も必要とされるなど、災害大国ともいわれる日本では、いざというときのためのお金の備えが大切です。
そこで今回は<特別編>として、災害に備えるためのお金、そして災害が起きたときのお金について、ぜひ知っておいてほしいことをお伝えします。

キャッシュレス時代でも、小銭や千円札を持ち歩くと安心

最近は、現金よりも交通系ICカードやクレジットカード、スマホのQRコード決済などを使う人が増えているかもしれません。これらのキャッシュレスは大変便利ですが、災害時には使えなくなってしまうケースがあることをご存じですか?

停電や通信障害によって使えなくなったり、衝撃や浸水で読み取り機が壊れてしまったり、また、スマホの充電が少なくなった際には、QRコード決済を使うことをためらう場面も出てくるでしょう。そもそも混乱によってスマホを紛失してしまうことも考えられます。そのため、いざというときにお金を使えるよう、普段から現金も持ち歩くと安心です。お釣りがない場合も考えらえるので、お札なら千円札を多めに、さらに小銭もある程度用意しておくとよいでしょう。

さらに、自宅にも数万円分の現金を置いておくと安心です。その際も、五百円玉や千円札を多めにしておくことをおすすめします。食材などを入れる防水性の高い保存用袋に現金を入れ、非常用持ち出し袋に入れておくとよいでしょう。ただし、自宅での保管はくれぐれも防犯にご注意ください。


公衆電話を使えるように、10円玉も常備

災害が起きると、スマホの電話よりも街中の公衆電話からの方がつながりやすいというケースも考えられます。そのため、公衆電話でかけられるよう、日頃から10円玉を持ち歩くとよいでしょう。とはいえ、最近は公衆電話を使う機会は少なくなりました。自宅の最寄りや、よく出かける場所など、公衆電話がどこに設置されているか、「公衆電話 設置場所検索」で調べておくと安心です。

NTT東日本「公衆電話 設置場所検索」
https://publictelephone.ntt-east.co.jp/ptd/map/

また、家族の電話番号を覚えていない場合は、番号をメモした紙を持ち歩くとよいでしょう。


災害時にお金を引き出せるように、銀行口座は複数がおすすめ

災害時には、銀行の実店舗が閉鎖されるだけでなく、ATMが使えないケースも想定されます。2011年に起きた東日本大震災では、震災直後、東北6県および茨城県に本店のある72の金融機関の全営業店2,700店のうち、約280店が閉鎖となりました。震災の約半年後には55店、約1年半後でも41店が閉鎖となっていました(一般社団法人全国銀行協会「東日本大震災における銀行界の対応と今後の課題」(平成25年3月)より)。

万一のとき、銀行口座が一つしかなく、そこに全財産を預けている場合、現金をすぐに引き出せなくなってしまう可能性があります。だからこそ、預け先の銀行は2つ以上あると安心です。ネット銀行なら様々なATMと連携していることが多いので、コンビニで引き出せる可能性もあります。また、A銀行のATMが物理的に壊れていても、A銀行のインターネットバンキングは使えるケースも考えられます。例えば、A銀行のインターネットバンキングを利用して、もう一つのB銀行の口座にお金を送金し、B銀行のATMから現金を引き出すという方法もあります。

日頃インターネットバンキングを利用していない方は、いざというときのために今から口座を準備したり、スマホアプリにも慣れておくとよいでしょう。


災害で通帳やキャッシュカードを紛失した場合は?

災害時は、通帳やキャッシュカードを紛失してしまうケースも十分に考えられます。東日本大震災のときには、金融庁から各金融機関に対して、「本人確認ができれば、通帳やキャッシュカードがなくても払い戻しに応じる」「印鑑がなければ拇印にて応じる」などの要請がありました。

災害が起きた際には、預け先の金融機関がこのような対応をしているか、直接店舗に行って確認するか、ネットがつながれば、金融庁や金融機関のHPで確認してみましょう。


まとめ

災害への備えとして、今回ご紹介した以下の「やることリスト」ついて、できることからぜひ始めてみましょう。備えをしておくことで、いざというときに慌てなくてすみますし、何より安心感が増すと思います。

できることから準備を! やることリスト

  • 10円玉などの小銭や千円札を持ち歩く
  • 五百円玉や千円札をメインに自宅に現金を用意(防犯には注意)
  • 公衆電話がある場所を確認しておく
  • 家族の電話番号をメモしておく
  • 銀行口座を複数持ち、お金を入れておく
  • インターネットバンキングやスマホアプリに慣れておく

プロフィール

西山 美紀ファイナンシャルプランナー・コラムニスト

単に貯蓄額を増やすのではなく、日々にうるおいをもたらせてくれるようなお金の使い方・貯め方について発信中。小田急電鉄主催のオンラインコミュニティ『ママカレ』西山美紀ゼミ「初心者でも安心! 幸せが増えるお金の貯め方・使い方・子育てTIPS」担当。著書に『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)のほか、『はじめての積立投資・つみたてNISA・iDeCoもよくわかる! お金の増やし方』(主婦の友社)が発売中。

https://www.nishiyamamiki.jp/

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