今回ご紹介するのは、トランプを使った「探偵カードマジック」です。
トランプの絵柄を利用した目の錯覚マジックをぜひご覧ください。
用意するもの
- トランプカード 1セット

はじめに
このマジックは、“目の錯覚”を利用しています。
ジャック(J)とクイーン(Q)という似た絵柄で、かつ♣(クラブ)と♠(スペード)、♥(ハート)と♦(ダイヤ)のように同じ色の4枚を「探偵カード」として使って目の錯覚を起こすのがポイントとなるマジックです。
※「探偵カード」とは、トランプの束から特定のカードを見つける働きをするカードのことです。

同じ絵柄同士のペアだと、両ペアが同じものには見えず、錯覚が起きません。

一方、異なる絵柄のペアの場合、両ペアが同じように見えてきます。今回のマジックは、この目の錯覚の効果を利用します。

この写真だけですと、「同じカードに見えない」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、今回使う「タイムミスディレクション」というテクニック(後ほどご紹介します)も合わさると、不思議と同じものに見えてきます。
POINT
このマジックの「探偵カード」には、絵柄のあるジャック(J)、クイーン(Q)、キング(K)を使ってください。
また、赤か黒、どちらか一方の色のトランプを使うので、「♣(クラブ)と♠(スペード)」または「♥(ハート)と♦(ダイヤ)」の組み合わせで使用しましょう。
NGなのは、♣(クラブ)のみや♠(スペード)のみをペアとして「探偵カード」とすることです。

スタンバイ(事前準備)
事前準備01
持っているトランプの束の上と下にジャック(J)とクイーン(Q)の♣(クラブ)と♠(スペード)を1枚ずつ置きます。このとき、トランプの束の上下に乗せたカードのペアを「探偵カードA」と呼びます。

事前準備02
もう1組のジャック(J)とクイーン(Q)の♣(クラブ)と♠(スペード)を束の中へランダムで入れます。このとき、トランプの束の中に入れたカードのペアを「探偵カードB」と呼びます。これで事前準備完了です。

STEP01
事前準備後のトランプの束から、相手(観客)の1人を指名して、こちらには見えないように1枚カードを選んでもらいます。 ※この時、選んでもらったカードを「★カード」とします。
STEP02
★カードは周囲に見せるなどして相手(観客)に覚えてもらいます。
ここでの★カードは「♠(スペード)の3」です。
STEP03
「選んでいただいたカードを当てるために2枚のカードを使います」と言って、事前準備02でトランプの束の中にランダムで入れた「探偵カードB」であるジャック(J)とクイーン(Q)のカードを抜き出し、机の端に目立たないよう裏面を向けて置きます。
抜き出したカードを1枚ずつ見せながら「(2枚のカードは)ジャック(J)とクイーン(Q)です。この2枚の探偵カードが(束から)選んでいただいたカードを見つけ出します。」と観客(相手)に伝えます。

POINT
「この2枚の探偵カードが…」とカードについて話す時には、絵柄(♣(クラブ)♠(スペード)等)は言わずにジャック(J)やクイーン(Q)とだけ伝えるようにしましょう。詳しくカードの絵柄と数字を覚えられないようにするためです。相手(観客)にカードを見せるときはじっくり見せないようにしましょう。
また、2枚のカードを探すときには、トランプの束の一番下にある、事前準備01でセッティングした♠(スペード)のカードが相手(観客)に見えないように気をつけて探しましょう。

STEP04
トランプの束を右手に持ち、人差し指を使いながら束を2つに分け(このテクニックを「カット」と言います。)上の束をもう一方の手(左手)に人差し指で押し出すようにしながら、渡します。
そして左手に持った束の上に「この束の上に、選んでいただいたカードを戻してください。」と言って、★カードを裏向きで乗せてもらいます。そして右手に持っていた半分の束を★カードの上に乗せます。

CHECK
STEP03の手順の時点で、★カードの下には、♣(クラブ)のカードがあり、★カードの上には♠(スペード)のカードがあればOKです。(このペアは、「探偵カードA」です。)
「カット」をすることで、事前準備のとき、トランプの束の一番上と一番下に入れたカードの位置を変えずにマジックを進められます。
※MAGIC TECHNIQUE
「カット」の詳細はコチラ。

STEP05
STEP04で★カードを戻してもらったトランプの束を、裏面を上にして、扇状に広げます。扇状に広げたトランプの中のSTEP03で抜き出したカードを「探偵カードをそれぞれ端の方に入れます。」と言って裏面を向けたまま、広げたトランプの左端の方と、右端の方に戻します。このとき戻すカードのペアが「探偵カードB」です。

STEP06
STEP05で2枚のカードを戻したら、扇状に広げていたトランプをまとめながら、「探偵カードがあなたのカードを探しています」などと言いましょう。
そしてまとめたトランプの束におまじない(動画では指を鳴らして)をかけて「はい、見つけました!」などと相手(観客)に言います。

STEP07
そして再度トランプの束をカードの表面を向けて、扇状に広げます。
そして広げたカードの中から、ジャック(J)とクイーン(Q)のトランプの間に挟まれた★カードの計3枚以外を両端に除けて、テーブル中央に3枚のカードだけがある状態にします。この時、★カードの両サイドにある探偵カードは「探偵カードA」です。

相手(観客)にはSTEP05で扇状に広げたトランプの左端の方と、右端の方に戻した「探偵カードB」が★カードを見つけたように見えますが、実際には事前準備01でトランプの束の上下にセッティングした「探偵カードA」が★カードを挟んでいます。
「探偵カードA」と「探偵カードB」が異なる絵柄のジャック(J)とクイーン(Q)のペアでありながら、1組の「探偵カード」であると錯覚させていました。
「探偵カードB」の存在が観客に見つからないように、その他のカードはさり気なくひとまとめにしておくとよいでしょう。

STEP08
★カードを相手(観客)に見せながら、「あなたが選んだのはこのカードですね!」と言いましょう! 一瞬で自分の選んだカードが不思議な方法で見つけられたことで相手(観客)は驚くこと間違いなしです!

この「探偵カードマジック」は、目の錯覚を利用したものの他にキーカード(目印となるカード)がポイントとなるバリエーションもありますので、合わせてお楽しみいただければと思います。
MAGIC TECHNIQUE
「タイムミスディレクション」
時間をゆっくり使ってマジックをすることで、相手(観客)の記憶を曖昧にさせるテクニックです。
今回のマジックでは探偵カードの正しい絵柄と数字を相手(観客)に覚えられないように、ゆっくり演技をするのが成功のポイントです!
先生のご紹介

Toshiマジシャン
ホテル、レストラン、著名人のプライベートパーティーでのパフォーマンスを中心に活躍。真っ新な感性と、洗練された演技で大切なお客様の心をとらえ魅了する。他にもレクチャー講師、プライベートレッスンとあらゆるシチュエーションで活動中。メディア番組出演をはじめ制作協力等、活動のフィールドを拡げている、プロのマジシャン。
Instagram(@magiciantoshi)
Facebook(まちづくり マジシャンToshi)
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