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魚には、良質なたんぱく質と健康を維持するために欠かせないDHAやEPAが豊富に含まれています。しかし、魚料理は調理に手間がかかるとあって、忙しい現代の家庭では敬遠されることも。近年では、加速する魚離れに厚生労働省や農林水産省が魚介類の摂取を推奨しているほどです。そこで、「魚食には、魚肉を軽量パッケージ化した魚肉ソーセージがおすすめ」と話す内科医の大和田潔先生に、今日からできる“魚活”を教えてもらいました。
持ち運びができる魚肉ソーセージは最強のファストフード
令和5年の国民健康・栄養調査の結果によると、49歳以下の魚介類の平均摂取量は50歳以上に比べて極めて少なく、今後ますます魚離れが深刻化することが懸念されています。

「魚食というと、健康長寿のための高齢者の食事をイメージする方も多いと思いますが、高たんぱく低脂肪、かつDHAとEPAが豊富な魚食は全世代に必要です。とはいえ、生魚は保存期間が短い、煮魚や焼き魚は調理のハードルが高いことから、魚を日々の食生活に積極的に取り入れるのが難しいというのも理解できます。そこでおすすめなのが、魚肉を軽量パッケージ化した魚肉ソーセージです。缶詰より軽量で、箸などを使わなくても食べられるので、バッグに入れておけばランチやおやつに、場所を選ばず手軽にパッと魚を食べることができます。」(大和田先生・以下同)
運動の前後にこそ“魚活”! プロテインを魚肉ソーセージに置き換え
「健康維持のためには、DHAとEPAを合わせて1日に1,000mg以上摂ることが望ましいとされています。」と話す大和田先生。さらに、それらをサプリメントではなく魚食で摂取すると、おのずとたんぱく質も摂取できるので、一石二鳥だといいます。「特に運動前後にたんぱく質を摂ることは、筋肉増強のために有効な手段です。フィットネスジムなどでホエイ・プロテインを飲んでいる姿をよく見かけますが、実は、単一成分のプロテインより、様々なたんぱく質が含まれる魚食のほうが、筋肉づくりには有効なのです。そのため、運動前後の補食にも魚肉ソーセージがおすすめです。」
小腹が空いたときにもおすすめ! ダイエット効果も
大和田先生は、魚活に時間栄養学を取り入れれば、ダイエットにも効果的だといいます。「朝食で体内時計の1日のスイッチが入るため、朝食は起床から1時間以内に食べましょう。たんぱく質と炭水化物が重要で、この組み合わせが体内時計に一番大きな影響を与えることが分かっています。昼食は、朝食から5~6時間後がベストタイミング。日中は活動量が多いので、炭水化物を中心に、カリウムの不足分を補う野菜を摂取することが大切です。夕食は、朝食から10~12時間後に。魚や大豆など良質なたんぱく質を摂って、筋肉量の低下を予防します。また、仕事などで夕食が遅くなる場合は、夕方に魚肉ソーセージを食べて小腹を満たしておきましょう。間食で一時的に血糖値を上げておくと、次の食事の血糖値の急上昇を押さえられるという報告があります。」

毎日の生活に魚肉ソーセージを取り入れて手軽に“魚活(ぎょかつ)”することで、現在と未来の健康につなげましょう。
監修

大和田 潔先生あきはばら駅クリニック院長
東京医科歯科大学院卒、医学博士。東京医科歯科大学臨床教授、日本臨床栄養協会理事を務め、日本内科学会総合内科専門医などのライセンスを持つ。医療アドバイザーとしてメディアでの解説に定評があり、ニュース番組の解説をはじめ、テレビやラジオで活躍。『60歳 食べ方を変えるだけで健康寿命はもっと延ばせる!』(永岡書店)ほか著書も多数。
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