多くの世帯が集まって暮らすマンションでは、専有部分から共用部分まで、建物内で起きた設備故障が居住者の生活に大きな影響を与えます。そのため、異常を早期に発見し、迅速かつ適切な初期対応で被害を最小限に抑えることが大切です。実際にどのような異常が起き、どのような対応をしているのか、話を聞きました。
教えてくれた人

小笹 健太郎日本ハウズイング株式会社
事業統轄本部
カスタマーセンター 緊急センター
管理員不在の時間帯も安心! 24時間稼働する緊急時の窓口
日本ハウズイングには、マンション等で発生した緊急事態を24時間365日体制で監視・対応する緊急センターがあります。大規模災害に備えて東京と大阪の2拠点に設置しており、両拠点は常時ネットワーク接続によって情報を共有しています。
東京の緊急センターが1日に受電する件数は、平均して約800件。居住者の相談を受けた管理員からの連絡もあれば、管理員の不在時など、居住者の方から直接お電話をいただくケースもあります。緊急センターは万全の人員体制で連日約95%の応答率を保ち、設備の不具合等で通報があった際、初期対応のために警備会社や修理業者を手配しています。
QUESTION 01緊急センターに寄せられる通報で多いものは?

※構成比は四捨五入のため合計が100%にならない場合があります。
対応が必要なもので最も多いのは、「インターホン異常」です。室内で鳴った警報を受信したり、警報を聞いた方からの通報に対応したりしたもので、代表的なのは、障害(45%)、ガス漏れ(18%)、非常(16%)、防犯(14%)、火災(3%)の5つ。といっても、実はこのほとんどが誤報で、実際に事故等が起きたケースはまれです。
例えば障害は、本来、部屋と管理事務室の配線が遮断されるなどの通信異常が起きた場合に警報が鳴るのですが、ブレーカーが落ちたときにも同様に警報が鳴ります。ガス漏れも、整髪スプレーを使ったり、料理中にみりん等のアルコール類を使用することでガス検知器が作動したり、反対に、燻煙式殺虫剤を使おうと検知器を外したことで警報が鳴ったりするケースもあります。また防犯は、警報をセットしたにもかかわらず、それを忘れたまま長時間家にいたり、窓を開けっぱなしにしたりすることが主な原因。帰宅後、警報を解除し忘れて警報が鳴ってしまうケースもあります。ガス漏れ、防犯、火災の3つは、平日の19時以降、居住者が帰宅してから就寝するまでの間に通報を受けることが多いです。
QUESTION 02「給排水設備異常」と「漏水」は何が違うの?
「給排水設備異常」の中には、キッチンや洗面所、トイレなどの給水管や排水管、さらに床下等にある、いわゆる隠蔽配管と呼ばれる給排水管からの水漏れを含み、いずれも通報者ご自身の室内にのみ被害が出ている状況をいいます。一方の「漏水」は、室内の天井から水が落ちてくるなど、被害が2部屋以上にまたがっている状況を指します。
通報を受けた際は、まずどこから水が漏れているのか、居住者の方のお話をもとに原因の箇所を特定し、次に給水管と排水管、どちらに不具合があるのか見当をつけます。排水管の場合は誰かが水を流さないと水漏れが継続することはないので、一定の時間水が漏れ続けている場合は、給水管設備に異常があると判断。キッチンや洗面台なら足元の収納棚の奥にある止水栓、トイレなら壁際にある止水栓を操作して、給水を止める措置をお願いしています。
QUESTION 03警報が鳴ったときの対処法は?
室内のインターホンから警報が鳴った場合、明らかに火や煙が出ていたら、迷わず119番通報をしましょう。誤報や原因が分からない場合は、インターホンに表示される警報音停止ボタンを押して、ひとまず警報を止めます。このとき注意したいのは、もしガス漏れで警報が鳴った可能性があれば、換気扇を使うのはNG。換気扇のスイッチで引火して火災が発生する場合があるので、必ず窓を開けて換気しましょう。
室外の設備で警報が鳴った場合は、管理員がいる時間帯なら管理事務室へ連絡を。こちらも誤報だった場合は警報音を止めることが先決なので、緊急センターよりも管理事務室へご連絡いただいたほうが、対応がスムーズです。
QUESTION 04“異常”が起きないように、居住者が普段からできることは?
「インターホン異常」は誤報や操作ミスで起きることがほとんどなので、それらの人為的要因を取り除くほかありません。一方、「給排水設備異常」や「漏水」は、給排水管の劣化など設備的な不具合が原因になることが多いので、普段は物が入っているシンクの下や洗面台の下などを定期的にチェックし、配管やホースが損傷していないか、またその周囲が湿っていたりしないかを確認することが大切です。ただまれに、水漏れも人為的要因で発生することがあります。マンションの場合、貯水槽の定期清掃や給水ポンプ点検等で断水になることがありますが、その際、断水であることを忘れて蛇口を開けたままにし、断水終了後、排水量を上回る給水により漏水に至るケースも。さらに、洗面所の洗面ボウルで洗濯作業をしている際、オーバーフロー(洗面ボウル上部にある排水口)の穴をうっかり衣類でふさいでしまい、水があふれるケースもあるので、気を付けましょう。
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