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お片づけのプロ水谷妙子さんの暮らしの整え方<収納家具の取り入れ方編>

暮らし

整理収納アドバイザー水谷妙子さんが考える、「家族が笑顔になる暮らしの整え方」についてお届けしています。第15回目のテーマは「収納家具はすぐに買わない。家にあるもので試し、使い勝手を確認する」です。収納家具の取り入れ方について教えていただきます。

目次

  • ポイント① 収納家具を買うのは簡単。でも処分するときのハードルは高くなる
  • ポイント② 学用品棚はおもちゃ棚と同じシリーズ。収納をアレンジしやすい&移動させやすいのがポイント
  • ポイント③ ハンガーラックもすぐ買わない。突っ張り棒を使った自作ラックで使い勝手を確認
  • ポイント④ 「もの」を買うことで暮らしは劇的に変わらない。悩みと目的を見失わないことが大事

ポイント①収納家具を買うのは簡単。でも処分するときのハードルは高くなる

現在は整理収納アドバイザーとして活躍する水谷さんですが、前職では無印良品の商品開発に長く携わってきました。リサーチや試作を重ねてさまざまな商品を手がける中で、もの選びの目が養われてきたそうです。そんな水谷さん、新しく収納を整える際に「ものを買う」ことからスタートすることはまずありません。

「収納家具も収納用品も、いきなり購入せず、家にあるものを使ってシミュレーションしてみるんです。どんな収納方法ならうまくいくか、何をどのくらい収納することになるのか、どんなサイズ感なら出し入れしやすいかなどをチェックします。」

特に収納家具の購入には時間をかけています。なぜなら、収納家具はちょっとした小物や収納用品に比べてサイズが大きく、高額だからです。

「もし使い勝手が悪かったり、やっぱり気に入らないとなったりしても、簡単に手放せません。 失望感が大きいし、“もったいない”と感じる心理的な負担もあるはず。買うのは簡単ですが、処分するとなれば小さな収納用品より手間がかかります。」

水谷さんは、家具が必要だと思ってもすぐに買わず、すでに家にあるサイズや用途が近いもので代用してみます。「もう少し幅が広いほうがいい」「引き出しは不要だった」など実際に使ってみたからこそ分かる具体的な要望を反映することで、より満足できる家具を選ぶことができています。つまり、購入時の失敗が少なくなるのです。

ポイント②学用品棚はおもちゃ棚と同じシリーズ。収納をアレンジしやすい&移動させやすいのがポイント

使い勝手を試したうえで、「わが家のスタイルに合う」と長年使い続けている家具のひとつが、無印良品のパイン材ユニットシェルフシリーズです。このシェルフは、引き出しや仕切りなどがないオープン棚。収納するものの量や大きさに合わせて、自由にものを置くことができます。

「学用品棚は既製品がたくさん販売されていますが、引き出しがついていたり、仕切りが動かせなかったりするものが多いんです。でも、その収納が自分の子どもや通う学校のスタイルに合うかどうかなんて、購入段階では分かりません。だから、あえてオープン棚を選び、使いながらものの置き場所を自由に動かしたり、収納方法を変えたりできるようにしました。」

ちなみにこのシェルフシリーズを最初に購入したのは、3人の子どものおもちゃ収納に使うためでした。

現在中学2年の娘さんが小学生になるとき、同じシェルフを学用品棚として買い足しました。

上の息子さんが小学校に入学したときは、「もう1台買おう」と考える前に「この1台を娘と息子でシェアしてみよう」と決め、しばらく買い足さずに過ごしました。

「その後は娘専用の部屋ができ、今は下の息子2人がこのシェルフを学用品棚として引き続き使っています。おもちゃ棚にしていた2台を組み換え、娘が使っていた1台と合わせて兄弟それぞれ1台ずつ使っています。このシェルフは帆立や棚板などパーツのみでも購入でき、自由に組み換えできるところも気に入っています。」

水谷さんがパイン材ユニットシェルフシリーズを選んだ理由は、さらにもうひとつあります。

「組み立てが簡単で、しかも軽いんです。引き出しがなくシンプルな構造だから、説明書を引っ張り出してこなくても直感的に組み立てられるほど。これなら、模様替えや引っ越しも気軽にできますよね。暮らしに合わせて収納を変更しやすい家具だと思います。」

ポイント③ハンガーラックもすぐ買わない。突っ張り棒を使った自作ラックで使い勝手を確認

子ども用ハンガーラックも、現在使用しているものにたどり着く前にはシミュレーション期間を設けたそうです。

「以前は、IKEAのトロファストにほぼ全ての衣類を収納していました。成長に伴い服もサイズアップし、収まりきらなくなってきたため、今はトロファストとハンガー収納を併用しています。でも、そのスタイルに息子たちが順応できるのかどうかは、やってみなければ分かりませんでした。だからハンガーラックをすぐに買うのではなく、まず家にあるものでハンガー収納を試してみることにしたんです。」

長男は、キッズスペースにあるクローゼット内のハンガーバーを活用。次男には、トロファストと壁の間に突っ張り棒と突っ張り棒補強板を設置し、簡易的なハンガーラックをつくりました。

ハンガー収納に対応できることを確認して初めて、ハンガーラックの購入を視野に入れた水谷さん。リサーチを進め、YAMAZENのハンガーラック L型を選びました。

「軽くて移動させやすいこと、高さを変えて長く使えそうなことが決め手です。キャスター付きにするかどうかも悩みましたが、幅46cmのラックに子どもの服をかける程度ではそれほど重くならず、持ち上げて移動できると判断。キャスターの有無よりも本体の軽さ、突起などがないシンプルな構造、リーズナブルな価格(2,999円で購入)を重視しました。」

ポイント④「もの」を買うことで暮らしは劇的に変わらない。悩みと目的を見失わないことが大事

水谷さんは基本的に、「もの」の便利さや使い勝手に期待しすぎないようにしているそうです。言い換えれば、求めているハードルが低いということ。

「これを買えば便利になる。これを取り入れれば片付く部屋になる……。何かを買ったからといって、暮らしが急によくなるとは思っていません。何を買えば解決するかではなく、どんな問題を何のために解決したいのかという、悩みや目的こそがスタート地点。“もの”ありきで考えるのではなく、悩みを解決するために何をどう取り入れればいいかを考えることが大切なのです。」

「使いにくい」「片付けられない」と感じたら、まずは「家にあるものでなんとか解決できないか?」と考える。何も買わずに問題がクリアになればそれでよし。解決できなければ、「どんなものなら解決できるのか?」と考え方を少し修正します。

「私はこうした試行錯誤のプロセスが好きで苦にならないから、楽しく仕事ができています。でも多くの人にとっては面倒で大変なことだということもよく分かります。だから、思いついたアイデアを発信し、シェアするのが私たち整理収納アドバイザーの役目でもありますね。」

たとえ整理収納のプロでなくても、水谷さんのような視点を持つことで、もの選びや収納の使い勝手がこれまでと少し変わるかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。

教えてくれた人

水谷妙子さん

整理収納アドバイザー1級。夫と中学生、小学生の5人暮らし。無印良品で生活雑貨の商品企画・デザインを13年間務め、500点以上の商品に携わる。2018年独立。お片づけ講座開催、雑誌やWeb、テレビなどで活躍するほか、ホームページ「ものとかぞく」 やインスタグラム(@monotokazoku)にて片づけやものについての幅広い知識を紹介中。著書に『水谷妙子の片づく家 余計なことは何ひとつしていません。』(主婦と生活社)、『水谷妙子の取捨選択 できれば家事をしたくない私のモノ選び』(主婦の友社)がある。

佐藤望美執筆者

ママファッション誌、ライフスタイルメディアを中心に執筆。得意分野は育児、トラベル、ライフスタイル、ファッション。インテリア、片づけ、ミニマリスト関連の書籍を数多く編集。トラベルエディターとして国内外の旅行取材も多く、子連れ旅情報をまとめたウェブサイト「FOOTABY!」を運営中。自身も中学生、小学生の子育てに奮闘中。

撮影/木村和敬(blowup studio) 取材・文/佐藤望美 編集/藤島麻衣子(LINUS)

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