イラスト/山口絵美
すでに多くの人に認知されている通り、「ふるさと納税」は希望する自治体に寄付をすることで、自己負担額2,000円を除いた金額が翌年の住民税や当年の所得税から控除され、税金の負担が軽くなる制度。所得によって控除額の上限は決まっていますが、「ふるさと納税」はいわば、家計にとって後からやってくるプラスの効果なのです。 2025年は、そんな「ふるさと納税」が話題になりました。なぜなら、9月末で各ポータルサイトのポイント付与が禁止されることになったため、残りの期間でそのポイント付与の恩恵を受けようと、駆け込み需要が高まったからです。しかし、税金が軽くなる恩恵を受けるには正しい手続き=申告が必要です。今回は、申告する際に起きやすいうっかりミスや、見落としがちなポイントについて解説します。
1年に1回、「ふるさと納税」の申告がお金をためるチャンスに!?
やり方が分からない、うっかり忘れてた! と、申告を諦めてしまうことは、お得になるチャンスを自ら手放してしまったも同然。手続きの際に間違いやすい、要注意なケースを4つ紹介します。
01「ワンストップ特例制度」の提出期限を過ぎてしまった!
「ワンストップ特例制度」とは、1年間(1~12月)の寄付先が5自治体以内で、かつ確定申告をしない給与所得者が使える制度で、申請書を寄付先の自治体に提出するだけで手続きが完了します。ただ、2025年分の提出期限は 2026年1月10日と、既に過ぎています。「しまった! 間に合わなかった!」と焦っている方もいるかもしれませんが、心配はいりません。期限を過ぎても、確定申告をすれば控除を受けられます。
確定申告の際は、寄付先の自治体から届く「寄付金受領証明書」を申告書に添えて提出しましょう。ポータルサイトによっては寄付内容をまとめた「特例申請書」をダウンロードできることもあるので、証明書が手元にない場合は確認してみてください。
2025年(令和7年)分の確定申告期間は、2026年(令和8年)2月16日から3月16日までです。
02確定申告をしたら「ワンストップ特例制度」が無効に……
「ワンストップ特例制度」を利用する場合、特に注意すべきなのが、“確定申告をしない人”という条件をきちんと満たしているかどうか。医療費控除や住宅ローン控除(初年度)など、何かひとつでも確定申告をする場合は、期限内にワンストップ特例制度で手続きをしていても、それが無効になってしまうのです。そのため、確定申告をする際に改めて「ふるさと納税」についても申告しなければ、控除は受けられません。確定申告をする際は、前出のケースと同様に「寄付金受領証明書」または「特例申請書」を用意しましょう。
せっかくお得だと思って「ふるさと納税」を利用しても、控除が受けられなければ意味がありません。ワンストップ特例制度の条件は見落としがちなポイントなので、要注意です。
03書類を紛失して寄付先が分からない!
確定申告をしようと思ったけれど、どこの自治体に寄付したか忘れてしまった。または「寄付金受領証明書」が見当たらない……というケースもあるでしょう。ポータルサイトを利用していれば、マイページに寄付履歴が残っているはずなので、確認を。また繰り返しになりますが、ポータルサイトによっては「特例申請書」のダウンロードが可能です。
書類の紛失が心配な方は、寄付を複数のポータルサイトに分散させず、利用するサイトを一つに絞ると、寄付先も管理しやすくなります。
04一昨年の申告漏れが発覚! 今からでも間に合う?
書類の整理をしていたら、一昨年の分の「寄付金受領証明書」が出てきた……という場合、控除は諦めるしかないかというと、そんなことはありません。「ふるさと納税」の寄付金控除は 5年前までさかのぼって申告することが可能です。つまり、2026年1月時点であれば、 2021年分まで申告できます。納めすぎた税金が戻ってくる「還付申告」(手続きとしては、通常の確定申告とほぼ同様です)になるので、よりお得な気分を味わえるでしょう。
まとめ
ふるさと納税は、寄付して返礼品を受け取った後が本当の“お得ポイント”です。しっかり申告すれば税金の負担が軽くなり、手元のお金が増えることにつながります。逆に申告をしなかったり、正しく申告できていないと、返礼品を受け取っても税金の負担軽減につながらないので注意しましょう。
確定申告で分からないことがあれば、国税庁の公式サイトを確認するほか、管轄の税務署に問い合わせるのがおすすめです。
ふるさと納税は、返礼品を楽しめて、自治体の応援にもなり、家計にもプラスが返ってくる魅力的な制度です。ぜひ上手に活用したいですね。
国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/
プロフィール

西山 美紀ファイナンシャルプランナー・コラムニスト
単に貯蓄額を増やすのではなく、日々にうるおいをもたらせてくれるようなお金の使い方・貯め方・増やし方について発信中。取材・コラム執筆・記事監修・講演等を行う。お金や心、幸せなどの研究をするため、現在早稲田大学人間科学部健康福祉科学科(eスクール)で学んでいる。
著書に『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)のほか、『お金の増やし方』(主婦の友社)等。
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