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- 暮らしを楽しむ にほんの食ごよみ（第11回「七夕そうめん」）
織姫の糸に見立てた七夕のお供えもの
暑い夏の風物詩といえば、そうめん。ひんやりしていて、喉ごしのいいそうめんは、食欲のない日にも重宝する定番メニューです。そんなそうめんが、実は七夕のお供えものでもあることはご存じでしょうか。
七夕は、織姫と彦星が年に一度、7月7日の夜に再会できるという伝説を祝う行事です。その織姫の名は機（はた）を織ることから付けられ、織物や裁縫をつかさどる神様とされています。それにあやかり、古来人々は「裁縫がうまくなりますように」という願いを込めて、そうめんを糸に見立てて飾りました。「七夕」も、「棚機（たなばた）」の読み方を当てたものだそうです。そうめんを食べる風習は宮中から民衆へと広がり、そうめんを贈答する習慣が広まったのは江戸時代とされています。
そうめんがもっとおいしくなるひと工夫
冷水でもみ洗いしてから一口サイズに
そうめんは、ゆで上がったらすぐにぬめりをとりましょう。素早くざるに移し、冷水で流しながらもみ洗いすれば、麺同士がくっつくことはありません。また、大皿にまとめて盛り付けるよりも一口サイズで分けておくと、食べやすいうえに見た目も美しく整います。フォークや菜箸にくるくると巻きつけてお皿に並べるだけなので簡単です。
薬味は七夕にちなんで７種類用意
食欲が落ちやすい夏は、そうめんだけでは栄養が不足してしまいます。七夕にちなんで、薬味は7種類用意するのがおすすめ。おなじみの長ねぎやミョウガ、大葉、キュウリのほか、甘酸っぱいミニトマトも、めんつゆとの相性抜群です。さらに、茹でた鶏ささみやアジの干物をほぐしたものも加えて、たんぱく質を補給しましょう。なすの揚げ浸しなど、作り置きのおかずを活用してもかまいません。変わった風味で楽しみたいときは、めんつゆに白ねりごまを足して、コクを加えてもいいでしょう。
今年の七夕は、たっぷりの薬味を添えたそうめんを食べながら満喫してみてください。
監修
橋本 加名子さん料理研究家、栄養士、フードコーディネーター
海外留学、商社勤務時代からアジア料理や江戸懐石料理を学び、独立。料理教室「おいしいスプーン」主宰。『フライパンひとつで！失敗しない中華・アジア』（タツミムック）など著書多数。
取材・文／佐藤望美 写真／pixtaほか
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