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マンション管理ゼミナール『避雷針』の基礎知識

マンション生活

高いビルやマンションのてっぺんに、下の写真のような“細い棒”が突き出ているのを見かけたことはありませんか?これは、避雷設備の一つ「避雷針」です。この避雷針で雷を受け、安全かつ速やかに雷電流を大地に放電することで建物を雷から保護する仕組みになっています。実は、「高さ20mを超える建築物」には、原則として避雷設備を設置することが法律で義務づけられています(建築基準法第33条)。

避雷設備は大きく分けて、避雷針・棟上げ導体など落雷を受け止めるための「受雷部」、雷電流を流すために受雷部と接地極を結ぶ「避雷導線(避雷導線の代用として構造体の鉄筋・鉄骨を代用することもあります)、雷電流を大地に逃がす「接地極」などで構成されています。その規格基準は、日本工業規格JIS A-4201:2003(建築物等の雷保護)に定められています。また、保守に関しても、「雷保護システムの信頼性を保つためには、定期的な検査を行うことが基本的条件である。不備が確認された場合には、遅滞なく修理を行わなければならない」と規定されています。

せっかく避雷設備があっても、不備があるとかえって被害が拡大してしまう可能性もあります。ですから、落雷が特に多くなる夏場までには所定の規格に適合しているか、点検することをおすすめします。

避雷針 避雷針と避雷導線接続部 避雷導線

『参考』点検規定 日本工業規格JIS4201.4.2

主な点検項目
(a)接地抵抗の測定(地中埋設銅板10Ω以下)
(b)地上各接続部の検査
(c)地上における断線、溶融その他の損傷箇所の点検

Q1雷が多い時期はいつ?

雷は、7月から8月にかけて非常に多くなります。ただ、東北から北陸にかけての日本海側では、冬の落雷も多く、夏に比べて強力なので十分注意してください。

Q2避雷針があれば安全?

建物に直接雷が落ちて大きな被害を受けないようにする対策として、避雷針はとても効果があります。しかし、部屋の中にある家電製品などを雷から守りきれるわけではありません。たとえ建物に直接落雷しなかったとしても、付近に落雷があった場合は瞬間的に高電圧や過電流が発生し、それが電源線や通信線などを通って建物内に侵入し、機器が故障してしまうことがあります。このように落雷が発生した周辺に高電圧や過電流が起こる現象のことを、「雷サージ」といいます。

 

Q3自分でできる雷対策は?

雷が鳴ったら、パソコンやテレビ、冷蔵庫、洗濯機など家電製品の電源を切り、コンセントからプラグを抜きましょう。意外と見落としがちな電話機の電話線・ACアダプター、CATVケーブル、パソコンのLANケーブルも要注意です。
また、突然の雷に備えて、「雷ガードタップ」などと呼ばれる雷サージから機器を保護するタップをあらかじめ取り付けておくことも有効です。

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