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マンション管理ゼミナール『防犯カメラ』の基礎知識

マンション生活

映像を使った防犯システム安全性のさらなる向上へ

近年、マンションにおける防犯カメラの導入率が高まっています。空き巣や不審者の侵入を防ぐことはもとより、車や自転車の盗難、マンション壁面等への落書きや、住民以外の第三者によるごみ捨て場への不法投棄などを監視、抑止します。さらには、住民のマナー違反などを監視する目的で防犯カメラを取り付けるケースもあります。これらさまざまな用途を想定した機能や特徴を持つ防犯カメラが多数登場しています。トラブルが起きそうな地点に設置し、映像を使ってその様子を監視することでトラブルを軽減、もしくは未然に防ぐ防犯カメラ。日々の暮らしを安全に過ごすためのツールとしてその重要性は増しています。では、防犯カメラを活用するためには、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。防犯カメラの種類や取り付けるときの注意点などを中心にお伝えしたいと思います。

Q1防犯カメラにはどんな種類があるの?

ボックス型やドーム型…設置場所や目的に合わせて選びます。
防犯カメラは、用途に応じたさまざまな種類があります。取り付ける場所や、何を監視するのかといった目的に合わせて最適なタイプを選ぶことが大切です。例えば「ボックス型」は、四角い形状で先端にレンズを備えるタイプ。スーパーや銀行等、多くの人の出入りをチェックする用途に向いています。広角レンズや望遠レンズに切り替えることで撮影する範囲や距離を調整でき、典型的なカメラの形状をしていることから、「カメラで監視されている」という心理が働き、犯罪を抑止する効果も見込めます。

屋外への設置を想定したタイプは「バレット型」と呼ばれます。雨風に対する防水機能のほか、季節による温度変化が生じても稼働する耐久性を備え、マンションの周辺を監視する用途に向きます。半球型のケースにカメラが収納されたタイプは「ドーム型」です。カメラがケースに隠れているため、監視されているという心理的な圧迫感取り除けるほか、カメラの向いている方向が判断しにくく、不審者の行動を牽制することもできます。

「全方位型」は360度の視野角を持つタイプ。カメラの死角をなくし、商業施設や空港など広いエリアを監視する用途に最適です。これら以外にも、カメラの向きを自由に切り替えられる「PTZ型」、防犯カメラの形状でありながら、映像を記録しない「ダミー型」などがあります。

一方で機能面に目を向けると、暗い場所でも撮影できる赤外線機能を備えたタイプがあります。外灯の明かりが一切ない、真っ暗な場所でも人の動きなどを把握できます。人の動きなどを検知したときだけ自動的に録画を開始する機能は今や標準となりつつあります。また、警備会社と連携し、異常を検知したときには自動的に警備会社に連絡するサービスもあります。

Q2防犯カメラを取り付けるときの注意点は?

どこに取り付けると効果的なのかを検討することが大切です。
新たに防犯カメラを導入する場合、どこに付けて何を撮りたいのかを検討します。その上でデータの保存期間や予算を含めて考えます。
防犯カメラの導入台数は闇雲に増やすべきではありません。また、過剰な機能も必要ありません。費用や効果を勘案し、優先順位を付けるようにします。マンションでは一般的に、エントランス、エレベーター、駐車場、駐輪場、通用口に設置するケースが多くなっています。まずはスモールスタートで効果を検証し、必要に応じて防犯カメラの台数を増やしていくのが望ましいでしょう。

なお、カメラの映像を確認したり記録したりするためには、レコーダーやモニターなどの周辺機器も必要になります。これら導入費のほか、カメラの映像を転送するケーブルの敷設費用がかかります。ケーブルが露出して美観を損ねないよう設置することも大切です。これらの初期費用と故障時の駆けつけなどをセットにしたリース商品も存在します。まずは無料の簡易診断を受けてみるのも良いでしょう。

Q3防犯カメラの寿命って何年くらい?

5~6年が交換の目安です。
防犯カメラの耐久年数は一般的に5~6年とされています。設置する場所により異なりますが、5年を過ぎたら交換を検討すべきでしょう。映像を保存するレコーダーも含め、定期的なメンテナンスが必要です。

中には「防犯カメラが稼働していないことに気付かず、映像が1カ月以上記録されていなかった」という事例もあります。そのため、トラブル発生時のみ映像を確認するのではなく、定期的に稼働しているかを確認することが欠かせません。いつ誰がどのように確認するのか、きちんと運用するための使用細則を定めておくと安心です。

防犯カメラにまつわる常識・非常識

住民は防犯カメラの映像を自由に見ることができる

マンションに設置する防犯カメラの映像は、管理組合などが定める使用細則によって運用方法などが決まっています。誰が映像を閲覧できるのかは使用細則に基づきます。管理組合役員、もしくは管理会社が理事長同席のもとで閲覧できるようにしているケースが一般的です。そのため住民は原則として自由に映像を閲覧することはできません。

記録した映像の保存期間は決まっている

保存期間は法律などで定められているわけではなく、管理組合などが定める用細則に準じます。マンションによって異なりますが、一般的には1カ月といわれています。ただし、映像の品質やレコーダーの性能によっては1週間だったり、さらに長期間の保存も可能です。レコーダーに保存された映像は決められた期間を経過すると、古い記録から順に上書きして自動的に消去されるようになっています。

同じ24時間稼動でも、消費電力は冷蔵庫より低い

防犯カメラの消費電力は機能や性能により異なりますが、一般的に0.5〜3W程度のものがほとんどです。一方、防犯カメラと同じく24時間稼動している冷蔵庫の場合、最近の省エネ性能のものでも200〜300W程度を必要とします。つまり防犯カメラは冷蔵庫と比べて非常に省電力であることが分かります。だいたい防犯カメラ1台に対する1カ月あたりの電気代は数十円程度です。セットで使用するレコーダーやモニターの分を含めても数百円程度と、24 時間フル稼働でも安心して使用できます。※実際の金額はお住まいの地域、カメラの台数等により変動します。

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