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くまもると学ぶ! 知っ得マンション生活 修繕積立金の要となる「長期修繕計画」

マンション生活

大規模修繕工事に必要な費用は、どのように算出されているかご存じですか? 経年劣化を補うために必要な工事の計画と、それに伴う資金計画を作成する長計グループの担当者に話を聞きました。

教えてくれた人

丸山 祐之日本ハウズイング 事業統轄本部
営繕管理部 長計グループ グループ長 

管理情報を共有して、将来必要な工事と費用を可視化

マンションにおいて快適な住環境と資産価値を維持するには、計画的な修繕が欠かせません。日本ハウズイングでは、大規模修繕工事をはじめとする各修繕工事に備え、国土交通省のガイドラインに準じて30年先を見据えた長期修繕計画書を作成。いざ工事を迎えた そのとき、積立金が不足する事態にならないよう、5年ごとに見直しを行い、管理組合様に改定プランをご提案しています。
長計グループは、20年にわたって長期修繕計画に携わる専門部署です。年に1回行っている外観点検の結果や、過去に行われた修繕工事の内容を営繕担当部署と共有し、年間約500〜700件の計画書を作成。修繕工事の周期と必要な工事内容、それに伴う費用を算出し、来るべきそのときのために積立金を計画的に準備しておけるよう、お手伝いしています。


QUESTION01長期修繕計画はどのように作られるの?

管理委託とは別に契約を交わし建物調査を経て費用を算出します
長期修繕計画書の作成は標準管理委託契約に含まれないため、別途契約が必要です。計画書を作成する際は、設備や塗装の状況、過去の修繕工事の内容を把握し、各支店の営繕担当者らと連携して、劣化状況を知るための目視調査を行っています。その後、いつ頃、どの部分にどのような修繕工事が必要になるのかを予測し、目安となる修繕費用=修繕積立金を算出します。

目視調査では、居住者の皆様が普段目にすることのない屋上の状況もしっかりチェックします。


QUESTION02修繕工事は長期修繕計画書の通り行わなければいけないの?

劣化の進み具合によって前後することもあります
長期修繕計画書の修繕時期はあくまで目安です。劣化が進んでいなければ先送りにすることもありますし、反対に、物価の変動や、昨年のように消費税が増税する場合は前倒しになることも。そういった計画のズレも、5年ごとに見直すことで修正が可能です。


QUESTION03修繕する箇所はどのくらいあるの?

建物・設備・外構まで修繕箇所を把握して適正な時期に手当を
マンションの構造にもよりますが、国土交通省が示す標準的な分類は17項目。工事の周期はそれぞれ異なるものの、適正な時期に修繕して管理することで、建物の寿命が延び、その先の修繕費用の低減につながります。


QUESTION04見直しをすると修繕費が上がるのはなぜ?

建具類の交換なども重なるため年数が経つほど工事費用は増えます
築年数が経ったマンションほど、支出が大きい工事の必要性が高まり、劣化により工事項目も増えます。また、物価変動や働き手の労務費用が高騰していることも要因の一つ。大きな修繕工事で多額の支出があると、次の修繕工事を見越して積立金を見直すため、負担額が増えることもあります。

5年ごとの改定プランでは、積立金に赤字が見込まれることも。その場合、工事のときに一時金が発生する事態を避けるために積立金の見直しをご提案します。

取材・文/坂井仁美

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