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暮らしを楽しむ にほんの食ごよみ(第6回「鏡開き」)

食べる

神様へのお供えをありがたくいただく行事

鏡開きとは、お正月に神様にお供えしていた鏡餅を下ろして食べる行事のこと。毎年1月11日に行われることが多いですが、地方によって異なり、関西地方では1月15日や20日に行われるのが一般的です。いずれも、松の内(お正月の門松が立っている期間)が明けてから、という点は共通しています。
神様からのありがたいお下がりをもらい、無病息災などを祈ってお供えの餅を食べます。気を付けたいのは、刃物を使って切り分けないこと。包丁で切る=切腹を連想させ、人や神様との縁が切れることにつながるためです。本来は木づちでコンコンとたたいて割りますが、木づちがない場合は金づちでも大丈夫です。タオルを巻いてたたくと良いでしょう。


鏡餅のおいしい食べ方

定番はお汁粉やお雑煮

開いたお餅の食べ方に決まりは特にありませんが、一般的には小豆を炊いてお汁粉にします。地方によってはお雑煮にすることもあり、その場合は、一度トースターや魚焼きグリルで焼き、その後さっと茹でてからお雑煮に入れてみてください。茹でることで煮込まずとも中まで火が通り、表面がパリッとしたままのお餅をいただくことができます。さらに、お雑煮の汁も濁りません。

揚げ餅は味つけを変えてみて

お汁粉やお雑煮に飽きたら、揚げ餅はいかがでしょうか。小さく開いたお餅を170度の油できつね色になる程度に揚げるだけです。シンプルに塩をふるだけでおいしいですが、ポップコーンのようにいろいろな味つけに挑戦してみるのもおすすめ。カレー塩、青のり、ブラックペッパー、きなこ、シナモンシュガーなど、自分で組み合わせを考えてみると、新たな発見がありそうです。お餅は腹持ちがいいので、軽食や子どものおやつにもぴったりです。

お正月を締めくくる、おいしく楽しい行事。今年は家族で鏡開きを楽しんでみてはいかがでしょうか。

監修

橋本 加名子さん料理研究家、栄養士、フードコーディネーター

海外留学、商社勤務時代からアジア料理や江戸懐石料理を学び、独立。料理教室「おいしいスプーン」主宰。『フライパンひとつで!失敗しない中華・アジア』(タツミムック)など著書多数。

取材・文/佐藤望美

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