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暮らしを楽しむ にほんの食ごよみ(第1回「新嘗祭(にいなめさい)」)

食べる

秋の実りに感謝する行事

お米をはじめ、さまざまな作物が収穫の時期を迎える実りの秋。新嘗祭とは、豊作を祝い、その恵みに感謝する日本の伝統行事です。毎年11月23日に天皇陛下がその年の収穫物を神様に供えて自らも食し、来年の豊穣を祈願するもので、古事記にもその様子が書かれているほどの伝統があります。この日は勤労感謝の日。勤労を尊び、感謝する由来は、この新嘗祭からきているともいわれています。

新米を食べよう

新米を土鍋で炊くのが一番のごちそう

新嘗祭では、おいしい新米を味わいたいところです。現代の新米収穫時期は新嘗祭よりもう少し早めですね。新米は水分をしっかり含んでいて、ほんのり甘く、炊き上がりもぴかぴか。昔は「今日から新米よ」というと家族みんながウキウキしていたものです。新米が手に入ったら、少し手間をかけてぜひ土鍋で炊いてみてください。熱伝導の力でおいしく炊き上がり、おこげも味わえます。お米自体がとてもおいしいので、おかずがなくても十分楽しめるくらい。そのまま土鍋ごと出せば、食卓もぐっと華やかに。土鍋がなければ、ステンレスの厚手鍋でもおいしく炊けますよ。

ワンポイント

少し手を加えるなら、うすめの炊き込みご飯がおすすめです。お米1合につき醤油小さじ1/2、塩少々を入れて、炊き上がったら千切りにした生姜をたっぷり混ぜ込んで少し蒸らします。お米本来の味を生かしたいので、あまり濃い味付けにはせずに召し上がってください。

少し硬めに炊いて、塩むすびに

新米は、おむすびにするのもいいですね。水分が多いので、炊くときはいつもの水加減より気持ち少なめに炊くと握りやすくなります。手水を用意し、塩少々(三本指でひとつまみ)を手につけて空気を含ませるようにキュッキュッと握ってください。具は入れず、新米の甘みを味わう塩むすびがおすすめです。塩には殺菌効果もあります。自然塩などぜひおいしい塩を使ってください。行楽弁当に詰めるなどで直接手に触れたくない場合は、ラップフィルムの上に塩をさらさらとふり、ご飯を包んで握れば安心です。

ワンポイント

お米は精米すると鮮度が落ちてしまうので、使う分だけ都度精米するか冷蔵庫で保管すると良いでしょう。ジップつき袋などに入れると取り出しやすく、かさばりません。新米を食べて秋の訪れを感じ、実りに感謝しましょう。

監修

橋本 加名子さん料理研究家、栄養士、フードコーディネーター

海外留学、商社勤務時代からアジア料理や江戸懐石料理を学び、独立。料理教室「おいしいスプーン」主宰。『フライパンひとつで!失敗しない中華・アジア』(タツミムック)など著書多数。

取材・文/佐藤望美

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