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お片づけのプロ水谷妙子さんの暮らしの整え方<子どもの習い事編>

暮らし

整理収納アドバイザー水谷妙子さんが考える、「家族が笑顔になる暮らしの整え方」についてお届けしています。第3回目のテーマは、子どもの習い事について。「やる、やらないは希望を尊重。教室選びは通いやすさを優先」です。夫と小学生2人、保育園児1人の5人で暮らす水谷さんに、習い事事情について教えてもらいました。

目次

  • ポイント① 水谷家の習い事は、興味の間口を広げることが目的
  • ポイント② 親は過剰な期待をかけず、のめり込みすぎないように
  • ポイント③ 教室選びは「子どもがいずれ一人で通える」「ビジネスライク」を条件に
  • ポイント④ 子どもの習い事アイテムはバッグを分けて管理
  • ポイント⑤ 学習と習い事との両立は模索中。息抜きの時間も残してあげたい

ポイント①水谷家の習い事は、興味の間口を広げることが目的

水谷さんのお子さんは、小学5年の娘さん、小学2年の息子さん、保育園児(年長)の息子さんの3人です。それぞれ、複数の習い事に通っています。

ご主人と話し合って夫婦の共通認識にしている習い事のルールは、「子どもがやりたいと言ったらとりあえず挑戦させてあげる」「いやになったらいつでもやめていい」というもの。

「娘は英会話、造形教室、バレエ、学習塾。息子2人はスイミング、テニス、ラグビーです。きっかけは親がつくったものもありますが、どれも本人たちに継続の意思があるものばかり。無理に通わせている習い事はひとつもありません。」

水谷さん自身も、幼少の頃はたくさんの習い事に挑戦してきました。始めてはやめ、また新しいものを始める、ということを繰り返してきたそうです。

「今振り返ると、両親はとても寛大だったなと感謝しています。幼い頃の経験があるからこそ、『やってみたい』と、『やめたい』という気持ち、どちらも理解できます。それに習い事は2つまで、などと制限を設けてしまった場合、その取捨選択が子どもの将来にとってベストなのかどうか私には自信が持てません。本当に好きなのか、ずっと続けられるのかは、実際に取り組んでみて初めて分かるのではないかと思います。」

金銭的な問題やスケジュールの問題もあるので、無制限というわけにはいきません。でも、できる限り子どものやる気と希望を尊重してあげたいと水谷さんは考えています。



ポイント②親は過剰な期待をかけず、のめり込みすぎないように

もうひとつ、習い事で水谷さんが肝に銘じていることがあります。それは「子どもの熱量を親が決して超えない」こと。

「お金を出し、送迎に手間をかけるのだから大成してほしい。そう思うのは自然なことです。でも私はあえて距離を取り、一歩引いたところからサポートしようと努めています。」

そう思うようになったきっかけは、保育園時代から続けている娘さんのバレエ。習い始めた当初は水谷さんのほうが熱中して、レッスンがない日も自宅でストレッチをするよう娘さんに促していたそうです。

「でも娘があまり乗り気でない様子を見て、ハッと気づいたのです。無理強いすると余計なプレッシャーがかかり、楽しくなくなってしまう。それからは子どもの熱量を見極めて、それを上回らないように気をつけています。わが家ではあくまで興味の間口を広げるのが目的。無駄な経験にはならないはずだから、軽い気持ちで楽しく通うだけでかまわないと思うようになったのです。」



ポイント③教室選びは「子どもがいずれ一人で通える」「ビジネスライク」を条件に

そんな水谷家では、「レッスンが本格的」「プロの指導者が経営している」といった条件で教室やスクールを選ぶことはほぼありません。「極めること」に重きを置いていないからです。

最も大切なのは、自宅から通いやすいこと。親が送迎するときの都合だけでなく、その習い事を続けた場合、子どもがいずれ一人で通えるかどうかを重視しています。

「習い事は毎週のこと。私も夫も仕事をしているので、送迎になるべく負担がかからないような距離感で探します。自宅から近ければなおよし。小学校の中学年くらいからなら自転車や徒歩、バスを使って一人で通わせることもできます。」

また、経営母体が大きく、入会・退会手続きがビジネスライクに行えるということも大きなポイントだといいます。

「気軽に入会できて、他のことに興味が移ったらすぐにやめられる。そんな身軽さを持っていたいからです。個人経営の小さな教室より、事務手続きの窓口がある大手スクール、大規模スポーツジムを選びます。引き止められたり、退会を言い出しにくかったりといった精神的な負担を軽減できます。特に大規模スポーツジムで開催されているスポーツ教室は、きょうだいの年齢が違っても同時間帯でレッスンを受けられる場合も多く、送迎の手間を減らすことができています。」



ポイント④子どもの習い事アイテムはバッグを分けて管理

水谷家では、習い事バッグをどのように管理しているのでしょうか。収納の様子を見せてもらいました。

<保育園~小学校低学年まで>親が準備し、子どもが出し入れしやすい高さに収納

「息子2人の習い事(スイミング、テニス)は、それぞれ子どもの目線に合わせてバッグを収納しています。引き出してそのまま背負える高さです。持ち物の準備はまだ難しいので、洗濯後にバッグの中に戻すのは親の役目。」

ラグビーは練習備品がたくさんあるため、送迎担当のご主人が準備・管理しています。


<小学校高学年>子ども部屋のクローゼットにつるして収納。管理も自分で

「クローゼットの扉裏を利用して、習い事バッグをつるしています。バッグの中身を入れ替えるのは忘れ物の元になるので、習い事ひとつにつきバッグをひとつ用意。交通系ICカードやキッズ携帯のみ、必要なときにだけ入れ替えています。」

扉裏の吊るし収納はセリアの「ハンガーロープ 5m」、ダイソーの「角S型 クロームフック」2つと「フェルト床キズ防止シール」を使って、水谷さんが手作り。

「内側にフェルトシールを貼ったフックを扉上部にかけ、ロープの端をフックに引っ掛けます。もうひとつのフックに反対の端を引っ掛け、ロープがたるまないように気をつけながら扉下部にかけます。ロープが余ったら適当に結んで完成です。」

バッグをかけるフックは無印良品「ステンレス横ブレしにくいフック・S」です。




ポイント⑤学習と習い事との両立は模索中。息抜きの時間も残してあげたい

習い事は気軽にやめられる環境を整えている水谷さんですが、実はまだ、一度も退会手続きをしたことはないそうです。

「特に娘はたくさん習い事をしていますが、どれも楽しいようで今のところ続けるつもりです。今後は、何か他の習い事に興味を持つことがあるかもしれません。その場合はできるだけ本人の希望を尊重しながらスケジュールの調整をすることになると思います。また学習塾に通う日数が増えたとしても、楽しむことがメインの習い事もなるべく続けさせてあげたいと考えているところです。」

子どもが伸び伸びと、さまざまなことに興味を持てる環境を整えたい、という水谷さんの考え方、とても参考になります。



教えてくれた人

水谷妙子さん

整理収納アドバイザー1級。夫と11歳の娘、8歳、6歳の息子の5人暮らし。無印良品で生活雑貨の商品企画・デザインを13年間務め、500点以上の商品に携わる。2018年独立。お片づけ講座開催、雑誌やWeb、テレビなどで活躍するほか、ホームページ「ものとかぞく」インスタグラム(@monotokazoku)にて片づけやものについての幅広い知識を紹介中。著書に『水谷妙子の片づく家 余計なことは何ひとつしていません。』(主婦と生活社)、『水谷妙子の取捨選択 できれば家事をしたくない私のモノ選び』(主婦の友社)がある。

撮影/木村和敬(blowup studio) 取材・文/佐藤望美 編集/藤島麻衣子(LINUS)

佐藤望美執筆者

ママファッション誌、ライフスタイルメディアを中心に執筆。得意分野は育児、トラベル、ライフスタイル、ファッション。インテリア、片づけ、ミニマリスト関連の書籍を数多く編集。トラベルエディターとして国内外の旅行取材も多く、子連れ旅情報をまとめたウェブサイト「FOOTABY!」を運営中。自身も6歳の女児、小学4年生の男児の子育てに奮闘中。

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