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プロが診断! あなたの家計 見直しませんか?

暮らし

お金に関する悩みは、家庭によってさまざま。「家計が赤字」「貯金ができない」「子どもの教育費や老後資金が心配」など、実際に寄せられたご相談に、ファイナンシャルプランナーの西山美紀さんがアドバイス。収入、支出、貯蓄額や家族構成を参考にしながら、お金のプロが相談者様の家計の見直し策を提案します。

物価高で食費や電気代が上がり、今後の生活が心配です。


相談者プロフィール

新潟県在住、44歳女性 リリーさん(仮名)

職業:
パート(サービス業)
家族構成:
母(70歳)と2人暮らし
住居:
購入マンション(ローンなし)
貯蓄:
400万円(普通預金100万円、定期預金300万円)
備考:
5年後に車の買い替え(約300万円)を予定

現在の住居は、母が一括払いで購入したマンションのためローンの返済こそありませんが、オール電化のため節電しにくいのが悩みです。夏はエアコン+扇風機、冬はエアコン+ホットカーペットを使うため電気代が高額になり、一般的な節電を試しても、電気代の高騰で支払額は上がる一方です。
食料品や日用品の値上がりも気がかりで、食費は、夜の値下げの時間帯を狙ってスーパーに行けばだいぶ節約できるものの、買い物は日中、母に任せているため、前年よりも家計が圧迫されています。

収支への総括

スーパーで買う食料品や日用品の費用は、お母様がご自身の年金から月に4万3,000円ほど支出されているとのことで、親子で上手に分担されていますね。車関連費が月4万2,000円と高めに見えますが、ガソリン代1万円のほか、オイル交換や車検、点検、タイヤの買い替えなど、車に関する諸費用を合計して月換算したものとのことなので、金額をしっかり確認できているならば問題ないと思います。 では、リリーさんが心配されている「値上げによって家計への負担が大きくなっている食費と電気代」についてはどうしたら良いのか。その対策法をご紹介します。


食費の節約方法は?

ここのところ、食料品の値上がりが続いていますね。値段は変わらなくても、内容量や個数が減っていることもよくあります。
リリーさんの場合、年金生活者のお母様が食費高騰の影響を受けて大変ご不安かと思いますが、受け取る年金は、ある程度、物価の上昇を反映させる仕組みになっています。物価ばかりが上がり、受け取る年金がそのままということは基本的にはないので、過度な心配は不要でしょう。

それでも、食費を少しでも減らせたら安心ですよね。食費を抑えるには、「買ったものを無駄にしないこと」がポイントです。買ったのにいつも使いきれない食材や、調味料がないかをよく確認しましょう。もし1,000円の食材を2割引(800円)で買っても、その食材の半分(400円分)をダメにしてしまったら、安く買った意味がなくなってしまいますから。

また、食事のたびに料理を一から作ると、食材が余ったり、オール電化の場合は調理の際の電気代もかかります。週末などに多めに作って冷凍保存しておけば、食材を有効活用できるうえ、疲れて料理を作るのがおっくうな日でも、パパッと食事の準備ができて、結果的に食費も電気代も抑えることができます。


電気代のセーブは「契約アンペア数」を下げる手も

オール電化のお宅で暮らすリリーさんは、普段からさまざまな節電を試みていらっしゃる様子ですが、節電は意識しすぎると疲れてしまうので、「仕組み」を使って、電気代を抑えることにトライしてみてください。

現在、ご家庭で契約しているアンペア数は、50A(アンペア)とのことですが、お二人暮らしなので、もしかしたら40Aに下げても良いかもしれません。
例えば、家族の人数が多く、エアコン数台と炊飯器、トースター、電気ケトル、電子レンジなど、同時に使う電化製品が必然的に多くなるご家庭は別として、40Aでも、電化製品を同時に使うことを意識的に減らせば、月数百円は下げられるはずです。ただし、アンペア数を変えた場合は、「1年ほどは変更しないこと」と言われるケースが一般的ですので、同時に使う電力量をよく確認してから判断する必要があります。

そのほか、電力会社を替えることで電気代が安くなるケースもあります。私もマンション暮らしですが、数年前に電力会社を切り替えて、少し安くなりました。
「エネチェンジ」などの比較サイトで、お得な電力会社を確認したり、切り替えることもできますので、ぜひチェックしてみてください。


ネット銀行の活用も視野に

リリーさんの場合、現在貯蓄が400万円あり、毎月約4万円ずつ貯めているので、ボーナスを貯蓄に回さなかったとしても、5年後には貯蓄額が640万円になりますね。

毎月決まった額を預金する場合は、一部のネット銀行にある「自動入金サービス」を使い、毎月貯めるお金を自動でネット銀行に移すのも手です。メガバンクや地方銀行に比べて、ネット銀行は少し金利がアップするのでおすすめです。5年後に車の買い替えを予定されているとのことなので、その専用貯蓄口座として、ネット銀行に口座を開設して貯めていくのもいいでしょう。できればボーナスからも、半分から3分の1くらいを貯めておけば、カーローンを組むことなく、安心して車の買い替えができそうです。

また、もし今後収入が上がることがあれば、毎月の貯蓄を上乗せできると良いでしょう。将来使えるお金が増えるので、安心感がアップします。


画像提供/PIXTA

プロフィール

西山 美紀ファイナンシャルプランナー・コラムニスト

単に貯蓄額を増やすのではなく、日々にうるおいをもたらせてくれるようなお金の使い方・貯め方について発信中。小田急電鉄主催のオンラインコミュニティ『ママカレ』西山美紀ゼミ「初心者でも安心! 幸せが増えるお金の貯め方・使い方・子育てTIPS」担当。著書に『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)のほか、『はじめての積立投資・つみたてNISA・iDeCoもよくわかる! お金の増やし方』(主婦の友社)が発売中。

https://www.nishiyamamiki.jp/

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