整理収納アドバイザー水谷妙子さんが考える、「家族が笑顔になる暮らしの整え方」についてお届けしています。第2回目のテーマは、「ストックはまとめ買いしない。身軽でいることで“選択の自由”が生まれる」です。夫と小学生2人、保育園児1人の5人で暮らす水谷さんに、日用品ストックの補充と収納について教えてもらいました。
目次
- ポイント① ストックは収納場所ありきで買う。スペースに収まるサイズ感も大切
- ポイント② ストックは“いずれ使うものだから”と罪悪感なく購入できてしまう
- ポイント③ 水谷家流 日用品ストックの収納アイデア
- ポイント④ ストックの買い足しは、ストック空パッケージ専用ボックスをチェックしてから
- ポイント⑤ 持ちすぎず、身軽さを残しておけば生活スタイルの変化に対応しやすい

ポイント①ストックは収納場所ありきで買う。スペースに収まるサイズ感も大切
4LDKのマンションに家族5人で暮らしている水谷さん。日用品ストックの持ち方で心がけているのは「収納場所からはみ出さない」ことと、「コンパクトで省スペースの商品を選ぶ」ことだそうです。

「日用品のストックといえば、洗剤類やティッシュペーパー、歯ブラシなど。どこの何を選ぶかはもちろん大切ですが、それらを“どこに”収納するかをまず考えることにしています。」
収納場所が決まれば、収納できる量もおのずと決まります。水谷家では、そのスペースに収まる分だけのストックを持つというルール。

「例えば、洗面台下の収納スペースは無印良品のボックスを並べていて、ストックはそこに入る分だけ。ものありきではなく、収納場所ありきです。だから愛用品が特売をしていても、収納スペースからはみ出るほどには買わないようにしているのです。」
水谷さんはまず、暫定的に決めたストックの量で生活してみます。「足りなくて困る」「この量だと不安」などの問題が出たら、その都度見直し。ただし収納スペースは限られているので、そのストック以外の何かを減らしたり、収納場所自体を変えてしまうことも。
水谷さんによると、ストック自体のサイズ感もポイント。いつも使っている銘柄の大容量パックがあったとしても、コストパフォーマンスではなくスペースに入ることを優先して、買うかどうか決めるそうです。
ポイント②ストックは“いずれ使うものだから”と罪悪感なく購入できてしまう
収納場所からあふれたストックが廊下に出しっぱなしになっていたり、箱買いしたままの段ボールが山積みになっていたり。「多すぎると困る」と頭ではわかっていても、ついつい買いすぎてしまうのはなぜでしょうか。
「日用品のストックはいずれ使うものだし、防災備蓄を兼ねてたくさん置いてあるという人も多いでしょう。これは罪悪感が起こりにくい、いわば正義の買い物。買いすぎてしまったり、管理ができなくても自分に言い訳しやすいのではないかと私は考えています。それに、お得なものを買えた!と買い物がストレス発散のひとつになっているのかもしれません。とはいえ洗剤でもスポンジでも、どんなものでも劣化は少しずつ進んでいます。腐らないからといって何年もため込んでおくと、いざ使おうとしたときにトラブルが起きてしまうかも。そうならないよう、在庫は常に回転させていく必要があります。」

必要なストック量は各家庭によって異なりますし、考え方もそれぞれ。「問題はストックの多さではなく、管理ができていないことにあるんです」と水谷さんは言います。
「収納スペースからあふれていたり、同じものを2ヵ所以上に分けて収納していると、全体量が把握しづらくなります。特に、見えにくい場所にものを置いてしまうと、確認が面倒になって記憶に頼りがち。家にまだあることを忘れてまた購入してしまうといった悪循環に陥ってしまうのです。」
特にストックを「買う人」と「使う人」が異なる場合は要注意!
「ストックを使わない人がどんどん新しいものを買ってくると、当然スペースからあふれます。例えば自分の化粧品なら、それを使うのも、なくなりそうだからと買ってくるのも自分なので、あふれることはないと思います。」
「ストックを買う」と「ストックを使う」がうまく回って初めて、「ストックが管理できる」と言えそうです。「でも日用品は家族みんなで使うものが多いから特に難しいですよね」と水谷さんは言います。
ポイント③水谷家流 日用品ストックの収納アイデア
では実際に水谷さんがどのように日用品ストックを管理しているのか、いくつか具体例を見せていただきました。
トイレットペーパー

トイレ内にあるつり戸棚収納の2段を使って収納。下段にはパッケージから出したトイレットペーパーを、上段には未開封のパッケージをそのままポンと置いています。下段のストックを使い切ったら、上段の未開封パッケージを下段へ移動。
「その際パッケージからすべて出しておくと、使うときに取り出す手間がかかりません。上段が空いたら新しいパッケージを買い足して入れておきます。ちなみに、使っているのは8ロールで12ロール分の長さがある長巻きタイプです。ストック入れ替えの手間が少なく済みます。」
シャンプー、トリートメント、ボディソープ

洗面台下の収納スペースに収納。3種類とも4本ずつストックしていて、数が欠けてきたら買い足します。収納に使っているのは無印良品のポリプロピレンファイルボックス・スタンダードタイプ・ワイド・1/2。
「ボックスの底には、セリアの取り付けかんたんミニキャスターを貼っています。ボックスを手前に引き出すときの摩擦で収納スペースの板を傷つけないようにするためです。」

子どもの歯の矯正器具洗浄剤

少し前から新たに必要になった日用品。箱のストックは洗面台下の収納スペースの1箱だけです。

「子どもが自分で洗浄するため、洗面台収納の、子どものヘアブラシと同じ引き出しに入れてわかりやすく。あらかじめミシン目でちぎってバラバラにしておきます。」
ポイント④ストックの買い足しは、ストック空パッケージ専用ボックスをチェックしてから
ストック管理にはなるべく時間と手間をかけたくない。これも、水谷さんの基本的な考え方です。

「いろいろな場所へ買い出しに行くのは大変だから、ほとんどの日用品は近所のドラッグストアで手に入るものを選んでいます。平常時ならいつでも買い足せる状況なので、未開封のパッケージや箱を1、2個ストックするようにしています。」
ドラッグストアで購入するものはティッシュペーパーやトイレットペーパー、キッチンペーパー、洗剤などが当てはまります。ただしシャンプー、トリートメント、ボディソープだけは例外。自宅から少し距離のある無印良品で購入するため、店舗への行きにくさと買い物頻度を考えて4本ずつと多めにストックしています。
ドラッグストアでの買い物は、主にご主人が担当。買い物メモを作成するかわりに、現物の空パッケージをスマホで撮影しています。
「使い切った後の空パッケージは、玄関収納に置いてあるボックスに入れて保管。ドラッグストアに行く前にすべて出して並べ、撮影します。メモを書いてもいいのですが、このやり方のほうが、漏れがありません。商品の特定もスムーズです。」

ポイント⑤持ちすぎず、身軽さを残しておけば生活スタイルの変化に対応しやすい
水谷さんのストック管理は、なるべく考えず見てわかるようにシステム化されています。
「考えなければいけないこと、やらなければならないことが他にたくさんあるから、ストック管理に頭を使いたくないというのが正直な気持ちです。でも、自動的に購入・発送してくれる定期購入は今のところ利用していません。消費スピードと新しいものが届くタイミングがずれると、ものがどんどん増えてしまうからです。」
さらに、ストックを持ちすぎないことにより選択の自由も得られると水谷さんは考えています。
「ストックが多いと、それを使い切るまでの時間も比例して長くなります。人の嗜好(しこう)や生活スタイルはどんどん変化していくもの。そして日用品は新商品がどんどん発売されます。今使っているものをこの先も飽きずにずっと使い続けられるか、といわれると私にはそんな自信はありません。“今度はこれを使ってみたい”“こちらに変えてみよう”と自由に選択できるゆとりを残しておきたいと思っています。」
ストックの量も管理方法も、「これが正しい」という正解はありません。生活スタイルを振り返りながら、自分らしいストックの持ち方についてぜひ考えてみてください。
教えてくれた人

水谷妙子さん
整理収納アドバイザー1級。夫と10歳の娘、8歳、6歳の息子の5人暮らし。無印良品で生活雑貨の商品企画・デザインを13年間務め、500点以上の商品に携わる。2018年独立。お片づけ講座開催、雑誌やWeb、テレビなどで活躍するほか、ホームページ「ものとかぞく」 やインスタグラム(@monotokazoku)にて片づけやものについての幅広い知識を紹介中。著書に『水谷妙子の片づく家 余計なことは何ひとつしていません。』(主婦と生活社)、『水谷妙子の取捨選択 できれば家事をしたくない私のモノ選び』(主婦の友社)がある。
撮影/木村和敬(blowup studio)取材・文/佐藤望美 編集/藤島麻衣子(LINUS)

佐藤望美執筆者
ママファッション誌、ライフスタイルメディアを中心に執筆。得意分野は育児、トラベル、ライフスタイル、ファッション。インテリア、片づけ、ミニマリスト関連の書籍を数多く編集。トラベルエディターとして国内外の旅行取材も多く、子連れ旅情報をまとめたウェブサイト「FOOTABY!」を運営中。自身も6歳の女児、小学4年生の男児の子育てに奮闘中。
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