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我が家の習慣を見直して今日から実践!お金が貯まる生活術 貯めた「100万円」はどこに預ける?

暮らし

(イラスト/山口絵美)

まとまったお金が手元にあるけれど、今すぐ使う予定はない……。そんなとき、みなさんはどうしていますか? 超低金利の普通預金に入れたままでは、もったいないもの。100万円を例に挙げて、具体的にどう運用したらよいのか、考え方のステップをご紹介します。

01「いつ使う予定か」を考える

その100万円、今すぐに使わないとしても、いつかは使いますよね。では、その時期はいつごろになりそうでしょうか。考えてみましょう。1年以内? 3~5年後あたり? それとももっと先の10年後でしょうか。具体的に考えてみることで、今後のマネープランをじっくり考える、よい機会になると思います。

02使う時期に応じて、金融商品を選ぶ

では、その使う時期に応じて、金融商品を選んでいきましょう。


1年以内の場合

これから1年以内に使う予定があれば、すぐに引き出せるように「普通預金」に入れておきましょう。ただし、日常の生活で使う口座に入れていると、「残高が多い」と感じて、つい無駄遣いをしてしまう可能性があるので、注意が必要です。できれば、普段使いの口座とは分けて、他の銀行口座の普通預金に入れておくと安心ですね。


3~5年後あたりの場合

もう少し先の3~5年後くらいに使う予定であれば、少し金利が高いものに預けておきたいところです。おすすめは、「ネット銀行の定期預金」です。
普段使いの口座と別にすることで、「貯蓄」として分けることができますし、ネット銀行の金利は、大手銀行に比べるとやや高めです。2024年3月22日現在、1年の定期預金の金利を比べてみると、大手のA銀行は0.002%、ネット銀行のB銀行は0.02%です。ネット銀行では、ボーナスシーズンの金利キャンペーンを行うことが多く、あるネット銀行では、2023年末からの冬のボーナスシーズンキャンペーン中は金利0.2%でした。

それぞれに100万円を1年間預けた場合の利息(税引前)は、A銀行が20円、B銀行が200円、ネット銀行のボーナスシーズンキャンペーンでは2,000円という違いになります。5年間なら、利息で1万円近くの差が生まれることになります。


10年後あたりの場合

10年後など、使う予定がかなり先の場合は、さまざまな選択肢が考えられます。


01ネット銀行の定期預金

手堅くいくのであれば、元本保証のある定期預金が一案。先ほどの3~5年後あたりのケースと同じく、ネット銀行の定期預金がよいでしょう。同じ100万円を預金に入れる場合でも、1年の利息が20円と2,000円などと大きな違いが出ることをお伝えしました。それが10年間になると、200円と2万円といった具合に、さらに大きな差になります。2024年3月19日に日銀がマイナス金利政策を解除し、金利を引き上げることを決めました。そのため、今後金利が上がることが予想され、大手銀行とネット銀行の金利差もさらに開く可能性があります。長期間預けるからこそ、金利についてしっかりチェックしておきたいですね。


02個人向け国債(変動10年)

個人向け国債(変動10年)は、銀行の定期預金よりも比較的高めの金利に設定されているケースが多いので、おすすめです。
変動10年というタイプなら、世の中の金利が上がれば一緒に上がっていくので、今後金利が上がることが予想される、まさに今の時期にぴったり。金利が上がるたびに預け替えなくてもいいので、忙しい人にも向いています。
10年という期間は決まっていますが、個人向け国債は発行から1年経てば中途換金ができます。その際に差し引かれるお金は、直近2回分の利子相当額を元にした一定額分であるため、中途換金よる元本割れはありません。


03新NISAで投資

10年ほど期間があれば、一部のお金で投資を始めてみるのも手です。
新NISAの「つみたて投資枠」で投資信託の積み立てを検討してみましょう。個人で買える投資信託は、世の中に何千本もありますが、そのうち、長期・積み立て・分散に適しているラインナップが、新NISAの「つみたて投資枠」には280本ほどそろっています。
例えば、100万円のうち80万円ほどを定期預金や個人向け国債(変動10年)にして、残りの20万円ほどを月5000円や1万円で投資信託の積み立てに充てるのも一案です。

ただし、投資をする場合は、資産が増えるだけでなく、減る可能性もあります。それを頭に入れたうえで、あくまでも余剰資金を使いましょう。そして資産が一時的に減っても、安く買えるチャンスだと考えて、積み立てをやめずに長く続けていくことが大切です。


まとめ

今回は、100万円を例に、まとまったお金の預け先について、考え方のステップをお伝えしました。家計にゆとりを生み、積み立て投資の増額や、預貯金にまわすなど、上手に資産アップを目指したいですね。

“貯まる”ポイント

  • 一定の額が貯まったら、使う時期を考える
  • まとまったお金は使う時期に応じて預け替える
  • 長い目で見て定期預金や投資も視野に入れる

画像提供/PIXTA

プロフィール

西山 美紀ファイナンシャルプランナー・コラムニスト

単に貯蓄額を増やすのではなく、日々にうるおいをもたらせてくれるようなお金の使い方・貯め方について発信中。小田急電鉄主催のオンラインコミュニティ『ママカレ』西山美紀ゼミ「初心者でも安心! 幸せが増えるお金の貯め方・使い方・子育てTIPS」担当。著書に『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)のほか、『はじめての積立投資・つみたてNISA・iDeCoもよくわかる! お金の増やし方』(主婦の友社)が発売中。

https://www.nishiyamamiki.jp/

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