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マンション管理ゼミナール『給水方式』の基礎知識

マンション生活

“マンションならでは”の水が届くまでのしくみ

私たちが普段使っている水道水。皆さんのマンションではお部屋までどのように届いているか、ご存じですか?
戸建て住宅の場合は、一般的に水道事業者の水道本管からの水圧により水が直接供給されていますが、マンションの場合はしくみが異なります。ですから、「隣の戸建て住宅では水道水が使えているのに、うちのマンションでは水が出ない!」なんてこともあり得るのです。

水道本管から建物へ分岐して引き込んだ水を各戸に供給するしくみのことを「給水方式」といいます。マンションの給水方式にはいくつか種類があり、それぞれ特徴があります。

Q1給水方式にはどんな種類があるの?

大きく分けて「貯水槽方式」と「水道直結方式」があります。
マンションの給水方式には大きく分けて、貯水槽を設ける「貯水槽方式」と貯水槽を設けない「水道直結方式」の2つがあります。

「貯水槽方式」とは、貯水槽と呼ばれるタンクにいったん水を蓄えてから各戸に給水する方式で、これはさらに「高置水槽方式」と「ポンプ圧送方式」に分類できます。

FRP製貯水槽(屋外) FRP製貯水槽(屋内) ステンレス製貯水槽(屋外)

「高置水槽方式」とは、貯水槽に蓄えられた水を揚水ポンプでマンションの屋上等に設置された高置水槽に送り、高置水槽から重力を利用して各戸に供給する方式です。この方式は、初期のマンションから採用されているもので、日本のマンションでは今でも多く使用されています。

一方、「ポンプ圧送方式」とは、貯水槽にためた水を圧送ポンプ(加圧給水ポンプ、圧力ポンプ等とも呼ばれる)で直接各戸へ供給する方式です。昭和40年代に登場し、昭和50年代後半以降、本格的に採用されています。

「水道直結方式」とは、貯水槽を設けず、水道本管から各戸に直接給水する方式で、これはさらに「増圧直結方式」と「直圧直結方式」に分類できます。「増圧直結方式」とは、水道本管からの水を増圧ポンプの圧力で各戸に直接給水する方式です。東京都が平成7年10月に初めて認可して以降、他の自治体の水道事業者でも認める所が増え、現在は多くのマンション給水方式として採用されています。

一方、「直圧直結方式」とは、水道本管から直接給水する方式で、戸建てやアパートなど、通常地上3階までの建物に採用されています。


高置水槽


加圧給水ポンプユニット


増圧ポンプユニット

Q2停電したらどうなるの?

給水にポンプを使用している場合は断水になる可能性があります。
水道本管からポンプを使用せずに直接給水している「直圧直結方式」の場合は、停電があっても断水せず、水が利用できます。しかし、ポンプを使用して給水している場合は、停電によりポンプが止まってしまい、断水になる可能性があります。
「ポンプ圧送方式」の場合は、停電すると断水となり水が利用できなくなります。「高置水槽方式」の場合は、高置水槽に残っている水は利用できますが、使い切り、空になってしまうと断水になります。「増圧直結方式」の場合は、低層階では水道管の水圧で水が出ますが、中高層階では断水になります。

Q3メンテナンスは必要なの?

定期的な清掃や修繕が必要です。
貯水槽や高置水槽がある場合は、常に衛生的な状態に保つため、水槽の定期的な清掃や点検、水質検査が必要です。
水道法では、貯水槽のうち有効容量の合計が10㎥を超えるものを「簡易専用水道」といい、設置者は①貯水槽の清掃(年1回)、②検査期間による検査の受検(年1回)、③施設の点検等を行う義務があります(100人を超える居住者に供する又は一日最大給水量が20㎥を超えるもので、水槽の有効容量の合計が100㎥を超える場合は「専用水道」として別途規制を受けます。)

また、貯水槽や高置水槽は、外面の保護塗装や付帯機器類(ボールタップや定水位弁等)の取替えが定期的に必要です。受水槽本体の取替えは、屋外に設置の場合は20~30年、屋内の場合は30~40年が一般的な目安です。高置水槽の場合は、風雨や紫外線の影響を受けやすいため、一般的に15~20年での更新が目安です。

給水ポンプについてのメンテナンスとしては、5~7年程度でオーバーホール(分解修理)を行う必要があり、取替えは10~15年が一般的な目安です。なお、増圧ポンプの場合は、各自治体の条例で法定点検の定めがあります(例えば、東京都では年1回の法定点検が義務付けられています。)

貯水槽方式
水道直結方式
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