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第4回 旧世界と新世界? 産地の違いを楽しむ ~ニューワールド編~

「ワインについて詳しくなりたい」と思っても、ワインの世界は複雑で難しそうというイメージがありませんか? そこで、ワインにまつわる様々なことをシニアソムリエが優しいアプローチでお教えします。読むだけでワインが美味しくなるようなコラムを、どうぞ召し上がれ。

旧世界(オールドワールド)と新世界(ニューワールド)

ワイン選びには、ブドウ品種だけでなく産地がとても大切です。その産地を大まかに分けると、旧世界「オールドワールド」と呼ばれるヨーロッパ諸国と、その他の国である新世界「ニューワールド」の2つに大別できます。オールドワールドは、フランスを代表としてイタリア、スペイン、ドイツ等が挙げられ、歴史が深く昔からワインが作られてきた産地であり、有名な銘柄も数多くあります。一方のニューワールドは、ワインの歴史が新しい産地のことです。アメリカ、チリ、アルゼンチン、ニュージランド、オーストラリア、南アフリカ、そして日本もここに入ります。今回は、このニューワールドについてご紹介します。

南米はブドウ栽培に最適

ニューワールドを代表するチリやアルゼンチンは、気候が安定しておりブドウの生育期に雨がほとんど降りません。また乾燥しているためブドウが病気になりにくいうえに、生育に必要な水はアンデス山脈の豊富な雪解け水を使うことができます。ブドウは植民地時代にスペインから入りましたが、しばらくは地元で消費する程度のワインしか作られていませんでした。その後、ヨーロッパより最新の醸造技術がもたらされ、大手の参入によって品質が向上し、世界でも注目の産地へとなっていったのです。日本でもスーパー等で沢山のチリワインを目にします。コストパフォーマンスの高さはきっと皆さまの知るところでしょう。

技術力の高さと農薬に頼らない南アフリカ

南アフリカもチリと並んで注目したい産地です。日本では最近まで馴染みのない産地という印象でしたが、実はワイン造りの本場フランスからの移住者が多い国で、その醸造技術はお墨付きです。また、ニューワールドの産地に共通の優位性である最新の技術導入が進んでいることも挙げられます。加えて南アフリカでは「ケープドクター」と呼ばれる海からの冷たい強風によって空気が乾燥し、ブドウにカビが付きにくいことから、農薬に頼らないブドウ栽培が昔から続けられてきました。また、南アフリカは自然の保護政策が進んでおり、自然と共存するようにブドウ畑が作られています。元々ブドウ栽培に適した気候であることと、さらに最新の栽培技術と醸造法が導入されているので、上質なワインが生まれるのです。

注目が集まる北海道 ニューワールド 日本

甲州種で醸造されるワインも国際的なコンクールで存在感を示すようになり、ワイン新興国としてこれからを期待されている日本。なかでも北海道は今、ワイン業界で注目の産地となっています。ブドウ栽培からワイン作りまで一貫して自社で行う生産者をドメーヌと言いますが、北海道ではそのドメーヌが増加中なのです。北海道にはブドウ栽培に必要な広大な土地があったことと、梅雨がないため夏でも湿度が低く台風の影響も少ないうえに、昼夜の寒暖差が激しい気候がワイン醸造家の目に止まったのです。また、温暖化の影響もあり、以前よりもブドウ栽培がしやすくなったことも一因に挙げられます。北海道では新しいワイナリーが次々に出来ていて、これからさらなる注目を集めそうです。

ニューワールドのワインをおすすめする理由

初めてのワイン選びで、コストパフォーマンスを重視する場合におすすめしたいのが、ニューワールドのワインです。デイリーワインと呼ばれる日常的に楽しむ1,000円~2,000円程度の価格帯のワイン選びでは、ニューワールドがとても素晴らしいワインを揃えています。
見てきたように、ニューワールドの産地は南半球に多いのですが、ヨーロッパに比べて天候が安定しており、ブドウ栽培が順調にすすめやすいという利点があります。一方、フランスやイタリアのワインを買う場合は、3,000円程度かそれ以上の価格帯がおすすめです。ヨーロッパは気候が不安定で、場所によっては雹(ひょう)害や霜(そう)害もあり、天候の変化がブドウ栽培に与える影響が大きくなります。ブドウが病気になることも多いため、ヨーロッパではブドウをケアするための人手が必要となります。また、ヨーロッパのワインには厳しい基準が設けられており大量生産できないこともあって、どうしても価格が高くなってしまうのです。しかしその分品質は高く、伝統的な造り方や技術を受け継いできたからこそ出せる香りや味わいがあります。

このように、ワインはブドウ品種だけでなく、産地によっても特徴や価格が変わってきます。ぜひ、それらの違いも楽しんでみてはいかがでしょうか。

監修:牧野 重希(まきの しげき)
吉祥寺の老舗イタリアン、リストランテ イマイのシェフソムリエ。2007年、料理人を志しリストランテ イマイに入社。2010年よりセコンドシェフとして従事。料理を学ぶなかでワインの魅力に惹かれ、お客様へのより良いサービスとワインの提供を目指し、接客に転向。
・2013年 ソムリエ取得
・2017年 シニアソムリエ取得

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